そもそもゲーミングスマホってなに?
高性能なCPUを採用し、冷却用のファンも搭載。ゲームスペースなどのゲーム向けのソフトウェア機能も盛り込んだスマホを主に、ゲーミングスマホと呼びます。日本ではASUSの「ROG Phone」シリーズと、ZTEの「REDMAGIC」シリーズの2ブランドが有名。
一般的なスマホでは、カメラ性能や使い勝手を重視する傾向にありますが、ゲーミングスマホはそれよりもCPU性能や内部温度の冷却性能、さらにゲーミングモードと呼ばれるゲームをより快適に遊ぶためのモードの整備に力を入れています。
CPU性能の高さに反して、カメラ性能などを抑えめにしていることもあり、ハイエンドスマホにしては買いやすい価格帯。まさしく「スマホを買うなら、とにかくゲームをしたい!」という人におすすめと言えます。
最新モデル「REDMAGIC 10 Pro」を前機種やライバル「ROG Phone」と徹底比較!
発売したばかりのゲーミングスマホ「REDMAGIC 10 Pro」。日本ではまだほとんどのスマホが搭載していない、クアルコムの最新ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Elite」を搭載しています。
価格もメモリ12GBモデルが12万2800円、16GBモデルが15万2800円と、ハイエンド級の性能を持つスマホにしてはお手ごろではありますが、その実力はどうでしょうか。
今回は、前機種「9 Pro」と、対抗馬である「ROG Phone 8 Pro」、そして一般的なハイエンドスマホの代表としてサムスンの「Galaxy S24 Ultra」と計4台で検証しました!
CPUとディスプレイが凄すぎる!「10 Pro」がベストバイ!
ズバリ言うと、ZTE「REDMAGIC 10 Pro」の性能は超優秀でした!
見事ベストバイに。
- ZTEREDMAGIC 10 Pro
- 検証時価格: ¥152,800〜
- 基本性能
- 使い勝手
- 付加機能
- ゲーム性能
- カメラ性能
- 映像品質
- 価格
- おすすめポイント
-
- 最新の高性能CPUを搭載
- メリハリの効いた動画品質は感動モノ
- 高い負荷をかけても性能はほぼ変わらず
- がっかりポイント
-
- 負荷をかけると背面がそれなりに熱い
- 独特なデザイン
- カメラ性能は高くない
- 幅
- 76.14mm
- 奥行
- 8.9mm
- 高さ
- 163.42mm
- 重量
- 229g
- ディスプレイ
- 6.853インチ
- メモリ
- 12GB/16GB/24GB
- カラー展開
- ブラック、ホワイト、黒スケルトン、シルバー
- プロセッサー
- Snapdragon 8 Elite
- ストレージ
- 256GB/512GB/1TB
それでは、検証結果を見ていきましょう。
検証1:スマホの基本性能をチェック
結果:ベンチマークテストで276万点! iPhone 16 Proより56%も好成績
ベンチマークソフト「Antutu benchmark」で各製品のSoC性能(スマホの処理性能)を計測しました。このソフトはスマホのSoC性能を簡単に調べられるアプリとして知られていて、『家電批評』でも毎回、このアプリでスマホのSoC性能計測を行っています。
このアプリでは一定時間の計測後、性能を表したスコアが表示されます。お持ちのスマホでも「スマホの型番 antutu」で検索すればスコアが表示されると思いますが、100万点を超えたら一般的用途では全く問題なし。150万点を超えたらかなり優秀。200万点超えはほとんど見ないレベル……と考えていいでしょう。
ちなみに 「家電批評」の現在のベストスコアはOPPOの「Find X8」で、約232万点。「iPhone 16 Pro」は約176万点です。
では、結果を見てみましょう。
REDMAGIC 10 Proの計測結果:優秀(史上最高!)
「REDMAGIC 10 Pro」は驚きの結果になりました。
計測の結果、「REDMAGIC 10 Pro」は約278万点という、素晴らしい数値を叩き出しました。同じCPUを積んでいる「Find X8」よりも40万点近くも高い結果。文句なしで「家電批評」検証史上、ベストスコアのスマホです。
REDMAGIC 9 Proの計測結果:良好
「9 Pro」も高い数値を出しました。
「REDMAGIC 9 Pro」も210万点は十分な好成績。しかし、「10 Pro」ほどずば抜けてはいません。
ROG Phone 8 Proの計測結果:優秀
ライバル機種である「ROG Phone」。コチラも十分高い数値です。
220万越えと、一般的なスマホでは考えられない高スコアに。もちろん素晴らしい数値ですが「10pro」には及びませんでした。
検証2:実際にゲームをプレイした操作感は?
結果:どんな動作もヌルヌル動く!
担当編集が『鳴潮』『原神』『学園アイドルマスター』など、メジャータイトルを複数プレイ。検証1のAntutuを使ったベンチマークテストでわかった性能の高さを実感できるのか、試してみました。
REDMAGIC 10 Proの操作感は?
結果:優秀でキビキビと動きます
『鳴潮』では画面の輝度の高さにビックリ。他のスマホでは見えなかった部分まで映し出してくれます。『原神』は敵との戦闘でも一切画面にノイズは出ず、操作への反応もキビキビしていました。
『学園アイドルマスター』でもライブ映像をかなり美麗に映してくれます。特に篠澤広さんの「光景」ライブ映像は本当に美しい。舞台のバックスクリーンに映る風景映像までも鮮やかに描写してくれました。
前機種:REDMAGIC 9 Proの操作感は?
結果:ラグもほとんど感じません
正直なところを言うと「こっちでもう十分なのでは?」と感じてしまいます。すでに「9 Pro」の販売は終了しているので購入はできませんが、3Dゲームをプレイする上で不満点はほとんど感じませんでした。『鳴潮』も動きがスムーズで、ラグなどはほとんどありません。
『学園アイドルマスター』では「10 Pro」同様、最高画質設定でライブ映像を視聴しましたが、問題は一切なし。「10 Pro」と比べると多少暗めに感じたものの、比較しなければ気にならないレベルです。
ROGPhone 8 Proの操作感は?
結果:こちらも優秀で不満なし!
「ROG Phone 8 Pro」もかなり快適にプレイできました。画面は白っぽく感じることはあったものの、操作面で気になることはほとんどなし。どの操作にも迅速に反応してくれます。
Galaxy S24 Ultraの操作感は?
結果:不満なく優秀な性能です
「S24 Ultra」もハイスペックなスマホだけあり、問題は感じませんでした。現時点でCPUの差はあれど、ゲームプレイにおける差を感じることはほとんどないと言えるでしょう。
検証3:高負荷時の発熱耐性は?
結果:背面はかなり熱くなるものの、性能自体はほとんど低下しない
ベンチマークアプリ「3D Mark」内にあるモード「Wild Life Extreme Stress Test」を実施。これはベンチマークの計測を20回連続で行うことで、スマホに高い負荷をかけ、その間の端末内温度や性能の低下具合をチェックできるモードです。
今回はこのアプリと、サーモカメラを併用。端末背面の温度と内部温度、さらに性能がどれだけ低下するかをチェックしました。
REDMAGIC 10 Proの発熱耐性は?
結果:背面は熱を持つものの性能面では良好
SoC性能(スマホの基本性能)は高い負荷をかけてもほとんど影響を受けません。最後までスコアが2万以上を保つなど、スコア自体も他製品とは段違いの高さを保ってくれていて、長時間ゲームをプレイしていても安心です。
背面の透けているパーツの内部に冷却ファンが見えるのですが、検証中はファンがしっかり稼働していました。
実際に、高負荷ゲームとして知られる『原神』を「最高」画質設定にするなど、あえてより高い負荷をかけてプレイしてみましたが、熱くなることはありませんでした。
REDMAGIC 9 Pro(前機種)の発熱耐性は?
結果:10 Proには及ばないものの良好です
こちらはベンチマークテスト11週目あたりから急激な性能の低下が確認できました。「10 Pro」での大きな進化がわかります。ベストスコアもベストで1万8650と「10 Pro」の一番下のスコアにも及びません。本体背面は「10 Pro」同様、熱くなりました。
ROGPhone 8 Proの発熱耐性は?
結果:10 Proには及ばないが十分に優秀
「ROG Phone 8 Pro」も「REDMAGIC 9 Pro」と似た傾向。背面がかなり熱くなり、内部温度も緩やかに下がっていました。
Galaxy S24 Ultraの発熱耐性は?
結果:背面は熱を発しないものの性能は低下
ゲーミングスマホと異なり、背面の温度はかなり低め。一方で、SoC性能はそれなりに下がってしまいました。
テストのベストスコアは「REDMAGIC 9 Pro」や「ROGPhone 8Pro」と並べても見劣りしないだけに、ここがゲーミングスマホとの差と言えるでしょう。
検証4:映像品質は?
結果:これまでベストだったS24 Ultraと並ぶ画質にビックリ!
AV評論家の野村ケンジさんに、YouTubeの高画質動画を視聴してもらって評価しました。
REDMAGIC 10 Proの映像品質は?
結果:メリハリの効いたエンタメ向けなチューニングです!
音質は前機種から少し向上。音の厚みや声の明瞭さが高まっています。映像品質はこれまでベストだったS24 Ultraと並ぶ高評価で、AV評論家の野村さんも「S24 Ultraと別の表現で高品質な映像を確立しています」と絶賛。
具体的には、メリハリ重視の鮮明な映像チューニングで、ゲームに適した画質。明るさも2000nitsとかなりの高水準で、一目見ただけで明るく、発色も見事。実写映像だと赤が強目に感じることもあるかもしれませんが、アニメやゲーム映像だとこれくらいのチューニングの方がしっくりきます。
REDMAGIC 9 Pro(前機種)の映像品質は?
結果:かなり優秀で赤がキレイ!
「9 Pro」の音質は雑味のない、ナチュラルなサウンド。広がり感も一定レベルで感じられます。低音はほとんど感じられないものの、あまり気になりません。画質はメリハリのはっきりした、10 Proに近いもの。かなり鮮明に見えます。
特に赤がピュアでキレイな映像です。ライブ映像を見ると、サイリウムがかなり美しく映し出されていました。
ROGPhone 8 Proの映像品質は?
結果:ナチュラル志向で優秀です
音質は可もなく不可もない一般的なミドルクラス並み。画質は元の映像を素直に再現するナチュラル志向です。明暗の幅はそれほど広くないのが気になりますが、精細感は必要十分以上。不満は少ないです。
明暗のレンジがそこまで強くなくて、階調は狭めです
Galaxy S24 Ultraの映像品質は?
結果:解像度と絵作りのうまさが両立!
音質は、低域中心に広がりのあるサウンド。音場も必要十分レベルです。一方の画質は「解像度の高さと絵作りのうまさが両立している」と野村さんも大絶賛。少し赤は強めながら、調整次第で十分ニュートラルな映像にできます。
これ以上のクオリティをスマホに求めるのは難しいと思えるほどの画質です。これはスゴい!
【まとめ】ゲーミングスマホ「REDMAGIC 10 Pro」は化け物スペックを実現した傑作
ゲーミングスマホの「REDMAGIC 10 Pro」を検証しました。最新のCPU、美しすぎる映像品質、発熱に高い耐性を兼ね揃えたゲーミングスマホで、現在販売しているゲーミングスマホの中でもベストバイと言える製品です。
スマホで遊ぶならとにかくゲームという人なら、絶対に後悔しない製品なので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
- ZTEREDMAGIC 10 Pro
- 検証時価格: ¥152,800〜
- おすすめポイント
-
- 最新の高性能CPUを搭載
- メリハリの効いた映像品質は感動モノ
- 高い負荷をかけても性能はほぼ変わらず
- がっかりポイント
-
- 負荷をかけると背面がそれなりに熱い
- 独特なデザイン
- カメラ性能は高くない
- 幅
- 76.14mm
- 奥行
- 8.9mm
- 高さ
- 163.42mm
- 重量
- 229g
- ディスプレイ
- 6.853インチ
- メモリ
- 12GB/16GB/24GB
- カラー展開
- ブラック、ホワイト、黒スケルトン、シルバー
- プロセッサー
- Snapdragon 8 Elite
- ストレージ
- 256GB/512GB/1TB
また、今回ライバルとなったASUSの「ROG Phone 8 Pro」も高評価になりました!
ASUS「ROG Phone 8 Pro」は一般的な用途とのバランスが◎
- ASUSROG Phone 8 Pro
- 実勢価格: ¥161,819〜
- 基本性能
- 付加機能
- ゲーム性能
- カメラ性能
- 映像品質
- 価格
- おすすめポイント
-
- 高水準なCPU性能
- メリハリのある映像品質
- 大人しめの本体デザイン
- ゲームプレイも快適
- がっかりポイント
-
- 約18万円と値段は高め
- カメラは明暗の描写に優れる
- 幅
- 76.8mm
- 奥行
- 8.9mm
- 高さ
- 163.8mm
- 重量
- 225g
- ディスプレイ
- 6.78インチ
- メモリ
- 16GB
- カラー展開
- ファントムブラック
- プロセッサー
- Snapdragon 8 Gen3
- ストレージ
- 512GB
- 型番
- ROG8P-BK16R512/A
最後に、ベストバイとなった「REDMAGIC 10 Pro」で高負荷ゲーム『原神』をやり込んでみました!
ベストバイのスマホで「原神」を10時間連続プレイ!
せっかく「REDMAGIC 10 Pro」が高性能ゲーミングスマホということが証明されたので『原神』をグラフィックス「最高」設定の高負荷状態で10時間ほど連続でプレイしてみました。
スマホ独自のゲーミングモードも高負荷の「ビヨンド」モードに設定してプレイ。しかし、本体が熱くなることは一切なく、ラグなども全く感じませんでした。ストレステストの結果で多少不安に感じていたのですが、杞憂だったようです。
これまで30台以上ものスマホで『原神』をプレイしてきましたが「最高」のグラフィックスでここまでサクサク動くスマホはほとんど記憶にありません。
画面の美しさについ手を止めてしまう
やはり驚いてしまうのは、画面の美しさ。グラフィックス設定を最高にしているのも大きいですが、暗部の階調表現が優れていて、実体感が恐ろしい。
石畳も、実写のような質感が感じられました。
美しい映像も、サクサクとノイズなく見れることが嬉しい。
そんなわけで『原神』を10時間ほど連続プレイしたわけですが、映像の美しさと共に大きなメリットを感じたのはバッテリーの持ち。前機種の「9 Pro」でも同程度プレイしましたが、持ちがさらに向上しているように感じました。(休憩は必要ですが)長時間ゲームをやり込みたい人には嬉しいです。
また、現在の3Dゲームの進歩を考えれば、今後もより高スペックが要求されるゲームが次々と登場してくることは目に見えています。そんな時にハイエンドなスペックを搭載したスマホであれば、十分に対応できるはず。もしそういったゲームをやり込みたいのであれば、今後への備えとして、「REDMAGIC 10 Pro」を検討してみてはいかがでしょうか。
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「S24 Ultra」は何でもよく見せるチューニングでしたが、こちらはよりメリハリ重視のエンタメ向け。階調表現もしっかりしていて、映像周りにかなりのコストをかけています