キッチン自動調理鍋ってどういうもの?

自動調理鍋ってどういうもの? 自動調理鍋おすすめ イメージ

自動調理系の電気鍋は圧力を利用するタイプがほとんどですが、シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」は非圧力かつヒーターによる加熱制御と「まぜ技ユニット」によるかき混ぜ機能での調理で何度も雑誌『家電批評』のベストバイを獲得してきました。

そして、初代から10年目を迎えた今年炒め物の調理時間を最大30%も短縮したモデルが登場。

シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」の独壇場となるかとなったところで、昨年からパナソニックが「オートクッカー ビストロ」で参入を開始しました。

そんな同社ですが、昨年モデルから圧力機能を省いた新モデルを9月に発売! コンセプトは「ホットクック」と変わりませんが、鍋に搭載した「鍋底かきまぜ」を採用しています。

そんなライバル同士の実力を試さないわけにはいきません。今回、その実力を料理研究家と「家電批評」編集部で徹底比較をしてみました。

キッチン電気圧力鍋とは何が違うのか?

電気圧力鍋とは何が違うのか? 自動調理鍋おすすめ イメージ

基本的に電気圧力鍋は圧力と加熱で調理しますが、自動調理鍋はヒーターによる加熱と羽根によるかき混ぜで調理します。

※出典:シャープヘルシオホットクックホームページおいしさのヒミツ

キッチンかき混ぜ方の違い

ホットクックは本体のフタにユニットを搭載して、上から 混ぜる仕組みです。一方、ビストロは鍋側に羽根があり、 鍋底からかき混ぜるのが特長。

また、本体の形状や液晶画面、 お手入れするパーツなどの使用感でも違いがあります。

シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」

シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」 自動調理鍋おすすめ イメージ

フタの裏側に装着する2本 のアームで食材を加熱しながらかき混ぜて調理。食材の種類や「加熱の進行」によって、アームの速度などを最適に調整しています。

パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC700」

パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC700」 自動調理鍋おすすめ イメージ

鍋の中心で回転する羽根に加えて、鍋肌の突起で具材の上下を入れ替えるようにかき混ぜることで効率よくかくはんします。

テスト方法

チェック1:使い勝手

「操作性」や「お手入れ」などをプロとモニターが実際に使って比較しました。

チェック2:調理力

「調理力」は炊飯、肉じゃが、青椒肉絲、 ビーフシチューを作り、プロが試食 して「おいしさ」と「手軽さ」を採点

キッチン素材を活かした調理で味に一体感がある「ホットクック」

A+評価シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」

  • シャープヘルシオ ホットクック KN-HW24H
  • 実勢価格: ¥63,793

総合評価: 3.55

 
白米の炊飯
 4.00
肉じゃが
 3.65
青椒肉絲
 2.90
ビーフシチュー
 3.75
操作性
 4.50
お手入れ
 3.00
設置性
 3.00

操作しやすく、切って入れるだけでカンタン

液晶画面が大きくて見やすく、操作や設定のUIも優しく感じましたが、お手入れは洗うパーツが多めで少し手間がかかります。

調理力は、カット食材を入れてスタートボタンを押したらあとは完成するのを待つだけなので「手軽さ」が圧倒的な魅力です。

工程がシンプルなので本格派というよりは素朴な味が特長ですが、素材や素材そのものの味を活かしながらまとまった味わいになります。

おすすめポイント
  1. 白米がしっかり炊ける
  2. 切って入れるだけでカンタン
  3. 操作UIがわかりやすい
がっかりポイント
  1. 洗うパーツが少し多い
34.5cm(約)
奥行
30.5cm(約)
高さ
25.6cm(約)
重量
6.0kg(約)
メニュー数
172(自動メニュー161、手動メニュー11)
容量
2.4L(調理)、4.7L(満水)
消費電力
800W
電源コード長さ
1.4m(約)
型番
KN-HW24H-W

キッチン本格的な味わいに仕上がるレシピがある「ビストロ」

A評価パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC700」

  • パナソニックオートクッカー ビストロ NF-AC700
  • 実勢価格: ¥56,500

総合評価: 3.50

 
白米の炊飯
 3.25
肉じゃが
 3.25
青椒肉絲
 2.75
ビーフシチュー
 4.25
操作性
 3.50
お手入れ
 4.00
設置性
 4.00

 仕上げのひと手間でおいしくなる

 液晶画面が小さい目で表示される文字が見えにくい部分がありますが、直感的に操作できます。内ブタと羽はシンプルなパーツで3つのみ洗えばOKなのがラクちん。

調理力は、カットの大きさや料理手順などのレシピが細かく記載されておりわかりやすく、仕上げにひと手間かけることでお店のような本格的な味わいも楽しめます。

たまにしか料理しない人で本格的な料理が食べたい人におすすめです。

おすすめポイント
  1. レシピは本格派の味わい
  2. 洗うパーツが少ない
がっかりポイント
  1. ひと手間かかるレシピがある
  2. 細かな作業が少し面倒
33.3cm(約)
奥行
33.6cm(約)
高さ
22.6cm(約)
重量
6.7kg(約)
メニュー数
26(アプリで追加・入替可能)
容量
2.4L(調理)、4.2L(満水)
消費電力
1290W
型番
NF-AC700-H

家電おすすめ「ホットクック」と「ビストロ」の実力を比較

チェック1:使い勝手

チェック1:使い勝手 自動調理鍋おすすめ イメージ

シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」

液晶画面が大きく、作業しな がらサッと目を向けても見や すさを感じます。

また、「メニューの切り替え設定では次のメニューも同時に表示されるので、スムーズに選べる」と、プロとモニターいずれの評価も高かったです。

本体の物理ボタンはそこまで強い力で押さなくても反応するので、どの操作も快適に行えました。

パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC700」

ホットクックと比べると液晶画面が小さめで、表示される文字がやや見にくいです。また、タッチパネルは軽く押したときに反応しないことがあったのも気になるところ。

とはいえ、あくまでホットクックと比べるとやや物足りなさを感じただけで、操作自体は複雑というわけではなく、直感的に行うことができました。

液晶画面とボタン

シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」

液晶画面とボタン 自動調理鍋おすすめ イメージ
液晶画面とボタン 自動調理鍋おすすめ イメージ2

液晶画面やデジタル表示が大きくて見やすいです。また、一画面に複数のメニューが表示されるので、目的の料理が見つけやすいのも高評価。

物理ボタンは大きな力を入れずに押せるほか、誤作動しにくいのも大きなメリットです。

パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC700」

液晶画面とボタン 自動調理鍋おすすめ イメージ3
液晶画面とボタン 自動調理鍋おすすめ イメージ4

液晶画面はホットクックに比べると小さく、文字表示が簡素でやや見にくさを感じました。メニュー選択は1種類が表示されて、ボタンを押すと次に変わる仕様。

タッチパネルは押す力が軽すぎると反応しないこともありました。

洗浄パーツ
洗浄パーツ 自動調理鍋おすすめ イメージ

水受けなど細かなパーツまで外せて、手間をかければ隅々まで洗えますが、洗うパーツが多く、ユニットは複雑な構造で洗うのが少し面倒でした。

洗浄パーツ 自動調理鍋おすすめ イメージ2

洗うパーツは内釜、内ブタ、羽根の3つと少なく、釜はやや大きめで重いですが、 内ブタと羽根はシンプルな構造で洗いやすいです。

どちらも「最大15時間」の予約調理に対応
どちらも「最大15時間」の予約調理に対応 自動調理鍋おすすめ イメージ
どちらも「最大15時間」の予約調理に対応 自動調理鍋おすすめ イメージ2

ホットクック、ビストロともに予約調理の機能を搭載。

基本的食材をレシピ通りに入れたら、メニュー設定時に予約調理で完成時間を選べばOK。両製品ともに最大15時間まで設定できますが、完成後の保温時間はホットクックが12時間、ビストロが3時間までです。

松本大輝
家電批評 編集部員
松本大輝 のコメント

予約調理は食材の衛生面に対する配慮などの理由から、各モデルごとに特定のメニューのみ対応しています。レシピブックに予約調理の対 応マークがついているので、調理前に確認してみましょう。

チェック2:調理力

肉じゃが(味しみ)

肉じゃが(味しみ) 自動調理鍋おすすめ イメージ
肉じゃが(味しみ) 自動調理鍋おすすめ イメージ2

調理時間はホットクックが35分、ビストロが40分と短めで、味染みはどちらもほどほどでした。

しかし、ホットクックはじゃがいものホクホクとした食感がバツグンで、全体的に素材と汁の味わいにまとまりを感じます。

一方、ビストロは芯まで火が通っていたものの、じゃがいもとニンジンの素材の味がわずかに残っていて、「もう少し汁と素材に味の一体感が欲しいかも」という評価でした。

さわけん 氏
科学する料理研究家
さわけん 氏 のコメント

ビストロは煮詰めが少し弱めだったのか、素材への味のノリが少なめでした。

桃世真弓 氏
料理家 スーパーエコごはん研究家
桃世真弓 氏 のコメント

ホッ トクックは素材に汁が絡んでいて一体感があり、じゃがいもはとくに美味!

ビーフシチュー(煮込み)

ビーフシチュー(煮込み) 自動調理鍋おすすめ イメージ
ビーフシチュー(煮込み) 自動調理鍋おすすめ イメージ2

調理時間はホットクックが45分、ビストロが1時間40分とビストロが約1時間長いです。

ホットクックが牛の赤身肉、ビストロは牛すね肉というレシピ。煮込んだことでホットクックはかたくなり、 ビストロは程よいやわらかさでした。

ビストロはココがちょっと違う
ビストロはココがちょっと違う 自動調理鍋おすすめ イメージ

ビーフシチューはバターを、 肉じゃがはきぬさやを追加するなど、ビストロは完成後に作業するメニューがあります。

青椒肉絲(炒め)

青椒肉絲(炒め) 自動調理鍋おすすめ イメージ
青椒肉絲(炒め) 自動調理鍋おすすめ イメージ2

調理時間はホットクックが15分、ビストロが10分で短め。両製品 とも肉や野菜を細切りにするため、少し手間がかかるレシピです。

仕上がりについては、餡っぽさがないビストロに比べて、ホットクックはとろみがあってより本格感がありました。

白米炊飯(炊飯)

白米炊飯(炊飯) 自動調理鍋おすすめ イメージ
白米炊飯(炊飯) 自動調理鍋おすすめ イメージ2

ビストロは炊けてはいますが、かなりやわらかく弾力感はほとんど感じられません。ホットクックは粒感のあるしゃっきりした炊きあがりで、一般的な炊飯器と比べて遜色ない食感や味わいでした。

それぞれの“オンリー調理”も試してみました!

それぞれの“オンリー調理”も試してみました! 自動調理鍋おすすめ イメージ

牛丼は少し甘めで、肉も玉ねぎもきちんと火が通っておいしい。

桃世真弓 氏
料理家 スーパーエコごはん研究家
桃世真弓 氏 のコメント

両方ともきちんと加熱され ていて、ご飯が進む味です。

それぞれの“オンリー調理”も試してみました! 自動調理鍋おすすめ イメージ2

きちんと加熱されておいしいですが、レンチンとの差を感じず……。

さわけん 氏
科学する料理研究家
さわけん 氏 のコメント

問題ない仕上がりですが香ばしさがもう少し欲しいかも。

キッチン【まとめ】大接戦の末「ホットクック」の辛勝!

自動調理鍋テストでベストバイに輝いたのは先駆者のシャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」でした! ただ、総合評価は僅差でパナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC700」も大健闘しました。

「操作性」は、シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」が快適。

とくに操作画面は大きくて見やすく、操作や設定のUIも優しく感じましたが、「お手入れ」は洗うパーツの少ないパナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC700」が良好でした。

内釜や内ブタの上記部など洗いにくいところはありますが、複雑な構造でパーツも多いシャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」に比べると許容範囲で、手間が少なくて済みます。

調理力は「おいしさ」と「手軽さ」がシャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」のが優勢でした。食材を入れてほったらかしで完成するのはかなり魅力的です。

一方、パナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC700」はレシピが丁寧でわかりやすく、追加作業で本格的な味に仕上げられるので、たまにしか料理をしなくてお店のような味を求めたい人におすすめです。

料理によっては、シャープ「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」を超えるものもあり料理が楽しくなること間違いなしです。

ぜひ、ライフスタイルに合わせてお好きな自動調理鍋を選んでみてくださいね。

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