警察、検察にも協力する データ復旧のプロが真実を話します

不透明な部分も多く、なかには怪しい業者が存在するイメージもあるデータ復旧業界。そこで業界大手のデータ復旧業社「AOSリーガルテック」協力のもと、プロにデータ復旧事情を教えてもらいました。

ネットにあふれる悪質な業社の見分け方から、データ復旧サービスの価格相場、いざというときに困らないデータ管理術まで紹介します。

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AOSリーガルテックは警察、検察などの捜査機関に法廷提出用データや復旧サービスを提供するなど、高い技術力と信頼を有するデータ復旧老舗業社です。

データ復元ソフト「ファイナルデータ」は発売から16年間シェアNo.1を誇ります。東日本大震災や熊本地震の被災者に対して、無償のデータ復旧サービスを行うなど復興支援も行っています。

請求額が20万円以上はあり得ない! 再委託かボッタクリの可能性アリ

パソコンやハードディスクの修理を依頼するうえで、価格を決める指針となるのは、障害レベル。編集部で入手した障害レベルによる価格表を見ると、重度障害であっても、通常は20万を超えることはありません。

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しかし、設備が整っていない業者の場合は、他の復旧業社に再委託しているケースもあり、その場合は値段もつり上げられるといいます。また、業社によってはデータ容量や持ち込んだユーザーの肩書きなどで値段をふっかけてくる場合もある模様。

業界的に金額が不透明ということもあり判断が難しいですが、もしパソコンやハードディスクがトラブルに見舞われた場合、修理依頼の前にわかっている症状で大体の請求額を予測してみましょう。価格表と照らし合わせてにあまりにも値段が高すぎる場合は、ボッタクリの疑いアリ!

データ容量で価格が違うのはおかしい! 作業工程にデータ量は無関係です

「20GB:5000円~」などという記載があるが、実際に持ち込んだら数十万かかった、なんてこともあり得る修理実情。これは業界的に客層が一見さんであるため。

相場がわからないこともあり、とりあえず安く見せていますが、実際問題、20GBのハードディスクなどないうえに、作業工程はデータ量に関係なく行われるとのこと。「修理工程は同じなのにデータ容量のみで値段が変動するのは妙な話です」(林靖二 氏)。容量のみで価格が違うということはありえません。

業界的に「見積もり」は原則無料 請求されたら要注意です!

意外と多いのが見積もりによるトラブル。前提としては、業界的には見積もりまでは「0円」というのが原則。しかもこの見積もり時に「このデータを復旧したい」と具体的に注文することもできるのが普通。

しかし修理業者の中には、見積もりにも小額だがお金をかけている場合も存在します。ここをよく確認しないまま機器を見積もりに出し、見積もりにかかる請求金額を支払うまで機器を返却してもらえなくなった……なども聞く話です。

なので見積もりを出す前にしっかりとその業者について下調べをし、お金がかかるようならその業者に頼むのはやめた方がよいです。なお、正式な注文書や報告書を作成してからキャンセルする場合は、料金が発生する点については注意して下さい。

メーカーロゴは無許可の可能性アリ 「ソニー」で判断する方法

修理実績として、メーカーのロゴをホームページに載せているところがありますが、実はここも見極めポイントのひとつ。多くの業者でメーカーの許可を取らずにロゴを載せているケースが目立ち、特に「ソニー」のロゴがあるかどうかがポイント。

ソニーは商標権に厳しく、通常は使用することが非常に難しくなっています。一例として、ビデオカメラなどで業務提携している場合は、「ソニーマーケティング株式会社」 と表記する必要があります。もしロゴが使われている場合、信用面で要注意と判断できます。

【事前の対策①】 市販ソフトで直るのは「論理障害」だけ!

市販されているデータ復旧ソフトで直すことができるのは、「論理障害」のみで、物理障害を修復することはできません。しかし、それを知らずに下手に触ると、正常なデータ部分もエラーデータによって上書きされてしまい、症状が悪化してしまいます。

さらには、物理障害も併発し、障害状態がより重くなる可能性も。そうなると、作業が増えて料金も上がってしまいます。物理障害による症状が見られる場合は、下手に触らずに修理に出すほうが正解です。

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【事前の対策②】超重要データは 乾燥剤と一緒に保管すべし!

容量がいっぱいになって普段は使わないハードディスクは管理方法が重要。そのままの状態で押入れの中にしまっておいたりすると、湿度にやられて故障の原因となってしまいます。

プロも行う対処法としては、ハードディスクをジップロックや静電気防止袋に入れ、シリカゲルなどの乾燥剤を同梱。湿気対策を十分に行った上で保管するのが正解です。

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【事前の対策③】ハードディスクの 「部屋」を分けて復旧確率をアップ!

修理業者にお世話にならないためには、日々のデータ管理が不可欠。重要なデータはパーティションと呼ばれる、同じハードディスク内に「区切り」を付けることで、軽微な論理障害であれば復旧ソフトで救い出せる可能性が上がります。

ただ、物理障害を起こすと業者に依頼するしかなくなってしまうので、基本はバックアップ用ハードディスクへ保存することも忘れずに。

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HDD復旧の現場に潜入! こんな感じで修理は行われます

実は今回の記事は、実際に編集部の〆切作業中にHDDがクラッシュし、AOSリーガルテックに修理を依頼したことがきっかけ。そこで、実際のデータ復旧の現場を覗かせてもらいました。作業スペースは二重の静脈認証で徹底したセキュリティ環境。到着した機器はここで厳重に管理されていました。

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まずパソコンやHDDからデータ部分を取り出し、専用マシンにHDDをつないで初期検査を開始。リードエラー障害を専用マシンで確認します。論理障害か物理障害かを検査し、不良セクタがどこなのかをチェックします。

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クラス100のクリーンルームが完備され、分解作業が行われます。目にも留まらぬ速さでHDDが分解されていきます。データを読み込むための磁気ヘッドの交換に加えて、重度物理障害の場合は洗浄処理も行います。

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部品交換・HDDの再構築、動作テストを経て、ファイルが再構築されます。そうして復旧されたデータは新しいHDDに入れられて、元の機器と一緒に郵送で手元に届きます。到着から30日間は無償の保証付きです。