Appleの人気製品「買い待ち」ジャッジ
何かと注目を集めるApple製品ですが、新製品なのに見た目がほぼ同じだったり、でも別物と言えるほどパワーアップしている製品もあったりとわかりにくいものが多いんです。
そこで、本音の家電ガイド『家電批評』がAppleの人気製品を徹底検証。
今回は、Apple「Mac Studio」を実際にプロのクリエイターに使用してもらい、さまざまな角度からその実力をチェックしました。
Apple「Mac Studio」
Apple
Mac Studio
実勢価格:27万8800円〜(M1 Maxモデル)、55万8800円〜(M1 Ultraモデル)
サイズ・重量:W197×D197×H95mm・2.7 kg(M1 Max)、3.6 kg(M1 Ultra)
Wi-Fi:IEEE 802.11ax/a/b/g/n/ac
Bluetooth:Bluetooth 5.0
2022年3月にデビューしたApple「Mac Studio」。
幅と奥行はApple「Mac mini」と変わりませんが、厚みが約9.5cmもあり、デスクに置くと圧迫感があります。
排熱がすぐれているため、負荷をかけてもボディはあまり熱くならず、ファンも静かです。
Apple「Mac Studio」は、デスクトップとしては久しぶりとなる新型モデル。Apple「Mac mini」に似た見た目ですが、はたして、Apple「Mac mini」よりどれだけパワーアップしているのでしょうか。
ということで、Apple「Mac Studio」をさまざまな角度から検証しました。
【スペック】「Mac mini」とはもはや似て非なるもの
アルミのお弁当箱のような見た目と、幅と奥行が同じことからApple「Mac mini」と比較されるApple「Mac Studio」。
ですが、「M1 Max」と「M1 Ultra」というパワフルなCPUと、大容量メモリを搭載したことで、スペックはまったくの別物。価格も倍以上に跳ね上がりました。
どちらかといえば、Intel製CPUを搭載したApple「Mac Pro」にどれだけ迫っているのかが焦点です。
▼Apple「Mac mni(2020/512GBストレージモデル)」のスペック
価格 | 12万800円〜 |
CPU・グラフィック | Apple M1チップ (8コアCPU/8コアGPU/16コアNeural Engine)※1 |
メモリ | 8GBユニファイドメモリ 最大 16GBユニファイドメモリ +2万8000円 |
ストレージ | 512GB SSDストレージ 最大 2TB SSDストレージ+8万4000円 |
▼Apple「Mac Studio(M1 Maxモデル)」のスペック
価格 | 27万8800円〜 |
CPU・グラフィック | Apple M1 Max (10コアCPU/24コアGPU/16コアNeural Engine)※1 最大 20コアCPU 64コアGPU 32コアNeural Engine搭載Apple M1 Ultra※1 +33万6000円 |
メモリ | 32GBユニファイドメモリ 最大 128GBユニファイドメモリ +11万2000円 |
ストレージ | 512GB SSDストレージ 最大 8TB SSDストレージ +30万8000円 |
▼Apple「Mac Studio(M1 Ultraモデル)」のスペック ※2
価格 | 55万8800円〜 |
CPU・グラフィック | Apple M1 Ultra (20コアCPU/48コアGPU/32コアNeural Engine)※1 最大 20コアCPU 64コアGPU 32コアNeural Engine搭載Apple M1 Ultra※1 +14万円 |
メモリ | 64GBユニファイドメモリ 最大 128GBユニファイドメモリ +11万2000円 |
ストレージ | 1TB SSDストレージ 最大 8TB SSDストレージ +30万8000円 |
▼Apple「Mac Pro(2019)」のスペック
価格 | 66万2800円〜 |
CPU | 3.5GHz 8コアIntel Xeon Wプロセッサ 最大 2.5GHz 28コアIntel Xeon Wプロセッサ(Turbo Boost使用時最大4.4GHz) +98万円 |
グラフィック | Radeon Pro W5500X(8GB GDDR6メモリ搭載) 最大 Radeon Pro W6800X Duo x 2(各64GB GDDR6メモリ搭載) +131万6000円 |
メモリ | 32GB(4x8GB) DDR4 ECCメモリ 最大 1.5TB(12x128GB)DDR4 ECCメモリ +350万円 |
ストレージ | 512GB SSDストレージ 最大 8TB SSDストレージ +33万6000円 |
※1 Apple M1/M1 Max/M1 UltraのGPUはCPUに統合されています
※2 検証に使用した機体は「20コアCPU 64コアGPU」「128GBメモリ」「2TB SSDストレージ」にアップグレードしています
「Mac Studio」は「Mac Pro」の標準モデルを超える処理性能
ベンチマークのスコアを見てみると、Apple「Mac Studio(M1 Max)」、Apple「Mac Studio(M1 Ultra)」ともに真価を発揮するのはマルチコアの性能です。
通常の「AppleMac mini(M1)」に差をつけたのはもちろん、トップモデルのApple「Mac Pro」に採用されている「Intel Xeon」も寄せ付けません。
さらに、グラフィックでもグラフィックボードを積んだApple「Mac Pro」を上回っており、「史上、最もパワフルなチップ」という謳い文句は伊達じゃありません。
▼使用したアプリはこちら
Primate Labs Inc.
Geekbench 5
価格:無料
【動画編集】プロキシを使わず4K動画のマルチ再生が余裕でできる
動画編集でどの程度使えるのか、カメラマン・映像編集者の橋詰高志さんにご協力いただき、19トラックの4K動画をAdobe Premiere Proで編集してもらい、検証しました。
その結果、プロキシなら19トラックがカーソルを追従して映像表示できるのはもちろん、4K画質のままでも「M1 Maxモデル」で3トラック、「M1 Ultraモデル」は7トラックも同時再生できました。
テスト中は橋詰さんも「マジで!?」を連発するほどのパフォーマンスを発揮。4K映像の書き出しも「Mac Proより速い」と高評価です。
Adobe Premiere Proで3分34秒のPVを編集した結果
4K画質マルチ再生
▼M1 Maxモデル
【テスト結果:○】3トラックを同時再生、4トラックはカクつきました。
▼M1 Ultraモデル
【テスト結果:◎】7トラックを同時再生、8トラックはカクつきました。
4K映像のシーク
▼M1 Maxモデル
【テスト結果:○】たまにラグがありますが、カーソルを追従します。
▼M1 Ultraモデル
【テスト結果:◎】4K動画とは思えないほどなめらかに追従します。
色調補正
▼M1 Maxモデル
【テスト結果:○】基本補正でわずかなラグが発生したほかは快適です。
▼M1 Ultraモデル
【テスト結果:○】基本補正でわずかなラグが発生。トーン編集は速いです。
4K映像の書き出し
▼M1 Maxモデル
【テスト結果:○(4分22.05秒)】
▼M1 Ultraモデル
【テスト結果:◎(2分41.16秒)】
4K編集後、フイに再生してもカクつかないのがスゴいです!
【画像編集】RAW画像の現像も速い!
▼テスト結果
- M1 Maxモデル:○(30分41秒)
- M1 Ultraモデル:◎(16分07秒)
一眼カメラで撮影した1枚で約63MBもあるRAW画像を、Adobe Lightroomで約2500枚まとめて現像できるかをテスト。大きな負荷のかかる過酷なテストですが、驚くことに動作が不安定になることなく処理が完了しました。
【外部入力】見た目より実用性を重視
ポート類をあえて“隠した”Apple「Mac mini」やApple「iMac」は、アルミボディの美しさへのこだわりを感じましたが、Apple「Mac Studio」は実用性を重視したのか前面ポートが復活。背面ポートも数が多く、使い勝手が向上しました。
【結論】「M1 Maxモデル」が想像以上の性能で高コスパ!
以上、Apple「Mac Studio」の検証レビューでした。
30万円以下で動画編集のプロもうなるパフォーマンスを見せてくれた「M1 Maxモデル」は、文句なしに買ってよしです。4K動画の編集でも力不足を感じることはなさそう。動画や写真の編集を日常的に行う人におすすめです。
最後に、Apple「Mac Studio」の強みと弱点をまとめました。
Apple 「Mac Studio」
Apple
Mac Studio
実勢価格:27万8800円〜(M1 Maxモデル)、55万8800円〜(M1 Ultraモデル)
サイズ・重量:W197×D197×H95mm・2.7 kg(M1 Max)、3.6 kg(M1 Ultra)
Wi-Fi:IEEE 802.11ax/a/b/g/n/ac
Bluetooth:Bluetooth 5.0
【総合評価:S】
▼Apple「Mac Studio」の強み
- Proに匹敵する処理能力
- デスク上にも配置できるボディサイズ
- リーズナブルな価格
▼Apple「Mac Studio」の弱み
- SSDもメモリもユーザー側での交換は不可
- 購入時のアップグレードは割高になる
ディスプレイは別売りですが、スペックを考えれば販売終了した27インチのApple「iMac」以上に高コスパのミドルスペックモデルといえます。ビジネスとしての4K映像の編集では、Ultraモデルも候補に入ります。
ぜひ、Apple「Mac Studio」の購入を検討している人は、参考にしてください。
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Mac Studioとディスプレイをもってカフェで仕事したいくらい快適ですね。