ソニーの新ノイキャンイヤホンをガチレビュー!

ソニー「WF-1000XM4」レビュー

発売直後から入荷待ちが続いているソニー「WF-1000XM4」

本音の家電ガイド『家電批評』2021年8月号で音質テストを行いましたが、何がどう前モデルの「1000XM3」から進化したのか、さらに深掘りしてみることに。

音質やノイズキャンセリングの性能、「立体音響」の没入感から、新機能である「スピーク・トゥ・チャット」などの使い勝手に至るまで、検証でわかったことを率直に述べていきたいと思います。

正統進化で弱点なし! ソニー「WF-1000XM4」

ソニー「WF-1000XM4」

ソニー
WF-1000XM4
実勢価格:3万3000円


重量:7.3g(イヤホンのみ)
連続再生時間:[NCオン]最大8時間[NCオフ]最大12時間
コーデック:SBC、AAC、LDAC
Bluetooth:5.2
防滴性能:IPX4

2021年6月に登場した「WF-1000XM4」。2年ぶりにソニーから発売されたノイズキャンセリングイヤホンです。

前モデルより高音質&ノイズキャンセリングが向上し、立体音響も楽しめる低圧縮率のコーデック「LDAC」を搭載しています。

ソニー「WF-1000XM4」2

ソニー「WF-1000XM4」検証の第4回目は「3つの新機能」に注目しました。高評価だったポイントだけでなく、厳しくチェックした辛口評価もお伝えします。

なお、検証には家電・モノライターの坂本知大さんにご協力いただきました。

新機能1:「スピーク・トゥ・チャット」

「スピーク・トゥ・チャット」

▼検証結果
・高評価のポイント
スピーク・トゥ・チャットを使えばイヤホンを装着したまま話せる
・辛口評価のポイント
話しかけると外音取り込みになるけど敏感反応で慣れが必要

「スピーク・トゥ・チャット」は、声に反応し口元の音を拾いやすくするビームフォーミングと骨伝導センサーで、騒がしい場所でも声を抽出し、外音取り込みに自動で切り替わります。「低感度」設定でも十分使えます。ソニー唯一無二の機能でかなり便利。

設定方法のポイント

1:設定を変更し使いやすく

「スピーク・トゥ・チャット」2

デフォルトでは検出精度や終了時間は標準になっています。設定で変更しましょう。

2:声の検出精度を変更できる

「スピーク・トゥ・チャット」3

精度が高く咳でも切り替わることがあります。調節しておくのがおすすめ。

3:自動で外音取り込みが終了する

「スピーク・トゥ・チャット」4

会話が終了すると自動で音楽を再生します。「5」「15」「30」秒を選択できます。

新機能2:「LDAC」

「LDAC」

▼検証結果
・高評価のポイント
低圧縮コーデックのLDACで高音質の音楽を楽しめる
・辛口評価のポイント
確かに高音質だけど、移動で使うには厳しい

LDACコーデックは低圧縮のため、データサイズが大きいのが難点。移動しながら聴くと接続が途切れがちです。電池消耗も激しく、通常再生は8時間ですがハイレゾ+LDACはわずか3.5時間でした。

LDACとは?

そもそも「LDAC」ってなに? という人のために、代表的なコーデックの特徴を簡単にまとめてみました。

・SBC……標準のコーデック
・AAC……Appleの標準コーデック
・apt X シリーズ……Androidに搭載されたやや高音質コーデック
・LDAC……ハイレゾに最適なコーデック
※なおLDACとapt XシリーズはAndroidのみ

設定方法のポイント

1:「接続優先」から「音質優先」に

「LDAC」2

ハイレゾやLDACコーデックを接続するには「音質優先」にします。

2:「AAC」から「LDAC」に変更

「LDAC」3

対応のAndroid機器には「LDAC」が表記されます。iPhoneは「AAC」のみです。

新機能3:「360 Reality Audio」

「360 Reality Audio」

▼検証結果
・高評価のポイント
立体音響の360 Reality Audioなら音楽に没入できる!
・辛口評価のポイント
今は対応している楽曲は少ないけど、これから増えるから大丈夫

2021年下半期のトレンドである立体音響。360 Reality Audioはソニーの360立体音響技術を使った新しい音楽体験です。

ボーカルや楽器の音源ごとに位置情報が球状の空間に存在し、まるで降り注いでくるかのように立体的な音場を個人に最適化して楽しめます。現在のところ配信されている楽曲が少ないですが、今後増えていくでしょう。

設定方法のポイント

1:始めるには各種設定が必要

「360 Reality Audio」2

立体音響を聴くにはソニー専用アプリで個人最適化する必要があります。

2:両耳を撮影して測定をする

「360 Reality Audio」3

左右の耳の形を撮影して聴感特性を解析。音場を一人ひとりに最適化します。

3:アプリをインストールして最適化

360 Reality Audioの楽曲の配信は、J-POPの配信があるdeezerと洋楽のnugs.net。「Amazon Music HD」でも配信されていますが、スピーカーのみの対応です。早期の対応を期待します。

▼360 Reality Audioアプリはこちら

DEEZER SA 360 by Deezer

DEEZER SA
360 by Deezer
月額:1470円

nugs.net enterprises, LLC nugs.net

nugs.net enterprises, LLC
nugs.net
価格:24.99ドル

AMZN Mobile LLC Amazon Music

AMZN Mobile LLC
Amazon Music
月額:980円(プライム会員は780円)

以上、「WF-1000XM4」に搭載された新機能3つの徹底検証でした。

次回は、過去のランキングで上位だった人気ワイヤレスイヤホン2製品と比較テストした結果をご紹介します! ぜひチェックしてみてくださいね。

▼ソニー「WF-1000XM4」の徹底レビュー【第1回】【第2回】【第3回】はこちら

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