ハイレゾの魅力である細やかな 音質をプロが徹底チェック

最近ますます熱が高まっているハイレゾとは、ざっくり言うと、普通のCDよりも情報量の多い音楽データのことです。情報量を表す数字でいうと、CDは16bit/44.1kHzとなります。対してハイレゾ音源は24bit/96kHzや24bit/192kHzなどの情報量になります。

情報量が多いことで、CDでは聴き取れない細かい音を聴くことができ、臨場感あふれるサウンドが楽しめます。

そこで今回は、ハイレゾプレーヤーのエントリーからミドルクラスまでの6製品を集めて検証。識者の協力を仰ぎ、聴き比べチェックを行いました。採点方式は高音、中音の解像度、低音、ダイナミクスの4項目をそれぞれ20点満点で採点。

それでは早速、結果発表です!

操作性を犠牲にしても おつりがくるリッチな音質

SONY:ソニー:WALKMAN  NW-ZX100:ハイレゾプレーヤー

SONY
WALKMAN
NW-ZX100
実勢価格:6万2400円

タッチ操作ができないという点はありますが、それを補って余りある音質の良さです。「自分の録った音が、自分が録った時と同じ感覚で聴ける」と録音のプロである識者に評された音の再現性の高さが優秀。まさに「WALKMAN」ブランドのプライドが詰まった一台です。

操作性を犠牲にしてもおつりがくるリッチな音質 イメージ

音質では全商品で最高得点を獲得。「ボーカルの中低域や低域のふくよかな部分や柔らかいところがキチンと再現されています。ピーキーな雑味がなく艶っぽさもキチンと出る」と識者も絶賛でした。

音量を上げても低高、各音域のバランスがしっかり保たれており、どんなイヤホンでも上手に鳴らすアンプ性能の高さも魅力です。

音質のバランスに優れる アンダー3万円の高コスパ機

パイオニア:XDP-30R:ハイレゾプレーヤー

パイオニア
XDP-30R
実勢価格:2万8674円
サイズ・質量:W63xH94xD15mm・120g
液晶:2.4型
ハイレゾ:PCM192kHz/32bit・DSD 5.6MHzまで(PCM変換再生)

スマホから専用プレイヤーにステップアップするには、イヤホンもそれに見合うものが必要になるので、結局相応の出費を迫られます。XDP-30Rは別売のSE-CH5BLとのセットでイヤホン込みで5万切りを念頭に開発されているのが大きな特徴。しかもこのイヤホン、左右の音声信号の混信がないバランス接続なんです。

音質のバランスに優れるアンダー3万円の高コスパ機 イメージ

音質傾向は「音像表現が立体的で音場もややタイトで狭いがリアル」と識者の評価。つまり、空間の広がりはさほどではないが、楽器の位置やボーカルとバックバンドの距離感がつかみやすく臨場感があります。

フラットなバランスの音質が クラシックによく合います

オンキヨー:DP-S1:ハイレゾプレーヤー

オンキヨー
DP-S1
実勢価格:3万24円
サイズ・質量:W63xH94xD15mm・130g
ハイレゾ:PCM192kHz/32bit・DSD 5.6MHz(PCM変換)

先ほど紹介しました、パイオニアのXDP-30Rの兄弟機がオンキヨーから発売されています、仕様はほぼ同じですが、外装とチューニングが異なり、「DP-S1」の方が低音から高音までフラットで音場が広いのが特徴です。

フラットなバランスの音質がクラシックによく合います イメージ

パイオニアと比べると純粋に良い音を高めようという方向のチューニングです。

アンプの出力に弱みも しっとり聴かせる音質が特徴

Astell&Kern:AK70:ハイレゾプレーヤー

Astell&Kern
AK70
実勢価格:4万9800円
サイズ・質量:W約60.3×H約96.8×D約13mm・約132g
液晶:3.3型(480×800 ドット)
ハイレゾ:PCM 384kHz/32bit・DSD 5.6MHzまで(PCM変換再生)

決して派手さはありませんが上品な出音がします。「柔らかで繊細な表現がうまくしっとりと落ち着いた雰囲気がある」とは識者の評価。ただしアンプの出力が不足気味だったため評価が下がる結果に。イヤホンのマッチングに試行錯誤が必要なようです。

アンプの出力に弱みもしっとり聴かせる音質が特徴 イメージ

低めが引き締まっているのが音質の特徴。バランスも良いだけに、イヤホン選びが重要となりそうです。

5位: ソニーのエントリーモデルは
いつものポップスを高音質に

SONY:ソニー:WALKMAN  NW-A35:ハイレゾプレーヤー

SONY
WALKMAN
NW-A35
実勢価格:1万8232円
サイズ・質量:W54.8xH97.3xD10.7mm・約98g
液晶:3.1型(800x480ドット)
ハイレゾ:PCM192kHz/32bit・DSD 11.2MHzまで(PCM変換再生)

ソニーでは入門用の定番機種。識者からは「カツカツした音を、低音を色々と膨らませてゴージャスに見せかけてる」と手厳しい評価も。価格を抑える分、高価なパーツを使えないため、チューニングでダイナミックに聴こえるように工夫していると思われます。

5位: ソニーのエントリーモデルはいつものポップスを高音質に イメージ

クラシックよりもポップスやEDMなどに合いそうなチューニングです。

6位: お値段以上の音質ですが
操作性に問題がありました

SHANLING:M1:ハイレゾプレーヤー

SHANLING
M1
実勢価格:1万4800円
サイズ・質量:W約50×H約60×D約12.8mm・約60g
液晶:2.35型(350x400 ドット)
ハイレゾ:PCM192kHz/24bit・DSD 5.6MHzまで(リニアPCM変換再生)

中国メーカーの新製品。テストした筐体は頻繁にフリーズが発生し、メニューのレスポンスも緩慢でした。ほかにも、Macで認識されないなど音質以外で気になる点が多いのが欠点でした。肝心のサウンドは「全然悪くはない」が「iPhoneと比べて絶対良いとも言えない」というレベル。本機はUSB DACにもなるので、パソコン用のプレーヤーとして使うなら良いかも知れません。

6位: お値段以上の音質ですが操作性に問題がありました イメージ

L⇔Rにちょっと引き延ばしたような感じがしますが、すっきり感を感じられる音です。

【番外編】極小ポタアンは 小手先の音でした

【番外編】極小ポタアンは小手先の音でした イメージ

Zorloo
ZUPERDAC 3.0
想定価格:2万円前後
サイズ:W約7.8×H約8.0×D約3.0mm
ハイレゾ:PCM384kHz/32bit、DSD 5.6MHz

ハイレゾを楽しむにはポータブルアンプ(ポタアン)をスマホに繋ぐ手もあります。しかし、かさばるのが難点。そこで、韓国生まれの極薄ポタアンを試してみました。持ち運びに便利なコンパクトさは良いですが、音質は「クリアーになり、粒立ちがよくなる」と一定の効果はあるものの「音が荒くざらついている」と識者からも微妙な評価となりました。

【番外編】極小ポタアンは小手先の音でした イメージ2

全体的にもの足りないサウンド。携帯性と音質を両立するならしっかりしたプレーヤーを購入するのが良さそうです。


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