水と一緒に入れて振るだけ 簡単「コンテナーむき」
今回、テレビやネットで有名なあらゆる技を試しましたが、1位は意外にも、どちらかというとマイナーなこちらの技でした。
すべての人にオススメできる卵の殻のむき方、それがこの「コンテナーむき」です。最大のポイントは子どもから大人まで誰でもできて、コツが一切必要ないということ。
子どもから60代の男女まで試してもらいましたが、簡単な説明だけで成功し、何度も検証を繰り返してみても、コンテナーだけは圧倒的に失敗が少なかったのです。まだ試したことのない方は是非試してください。
コンテナーに水を1/3ほど入れてから、ゆで卵を投入します。この際、容器に卵を入れすぎると、容器を振った際に卵の殻にヒビが入らなくなるので、容器を振った際に卵が2~3cm移動できるスペースを作ると効果的です。
コンテナーの蓋を閉めたらあとは簡単! 容器を前後左右に10秒振るだけです。前後のみ、左右のみでは殻にヒビが入る箇所が同じになってしまうので万遍なく振ると、卵全体にヒビが入りやすくなります。
コンテナーのフタを開ければ、細かなヒビがいくつも入ったゆで卵が姿を現しました。この状態になると卵の殻はつまむだけでツルっとむけてしまいます。この殻むきの感覚はとても気持ちがよく、やみつきになってしまうこと請け合いです!
今回利用したのは、こちらのコンテナータイプのジップロックでした。
ツルっとむける感覚が 楽しい「コップむき」
系統としては1位の「コンテナーむき」と同じですが、違いは圧倒的な速度。コップに水とゆで卵を入れてシェイクするという簡単さと約5秒でむける早さが売りですが、万人向けではないことが非常に惜しいむき方です。
2位となった理由は、コップの口を押さえる際に女性や子ども、高齢者ではうまく押さえきれなかったり、コップをすべらせてしまう可能性があり、やや腕力が必要だと感じたから。
とはいえ、殻むきの原理自体はコンテナーと同じで非常に簡単です。また、コップの大きさにもよりますが、ゆで卵を2つ入れて同時にむくことも可能という効率のよさもポイントです。
約5秒間思い切りコップを振ることで、卵に細かなヒビが入るだけでなく、ヒビからさらに水が浸透して殻がより滑らかにはがれるようになります。
コップむきをする時に覚えておきたいポイント!
コップを上下に振るというよりも、卵をコップの中でバスケットボールのドリブルをするようなイメージで振りましょう。
全体的にヒビが入っているけれど殻がむけない場合は、親指の腹で卵をなぞると薄皮が裂けて殻がツルッとむけやすくなります。
コップは底部分が硬い材質のガラスや金属が理想ですが、プラスチックでも可能。材質によって力加減が変わるので注意が必要です。
ゆでる前の卵にひと工夫 「事前ヒビ入れむき」
コツさえ覚えれば、大量のゆで卵の殻をスルッスルッとむくことができるのが「事前ヒビ入れむき」です。これは卵のとがっていない底部分にヒビを入れてゆでることで、隙間からお湯が入り込み、殻や薄皮がむけやすくなるのです。
実際にヒビを入れてみると意外と白身は溢れてきませんが、ゆで始めると白身の固まりが殻の隙間から溢れることが何度かありました。しかし、ゆで上がった際に殻と一緒に飛び出た白身も取ってしまえば、仕上がり自体は普通のゆで卵となんら遜色はありません。
ヒビの入れ具合は慣れるまで練習が必要なので、最初はスプーンの裏などで叩いて徐々にヒビを入れていくことをオススメします。
簡単にヒビをいれるにはスプーンが一番です。
卵のとがっていない底の部分をスプーンで軽く叩き、直径1cmくらいのヒビを入れましょう。慣れてきたら、スプーンを使わずに平らな面に当ててヒビを入れれば、洗い物もなくなります。
ゆで上がった卵はヒビを入れた部分からむき始めると、より綺麗にむくことができます。事前にヒビを入れるだけなので、効率のよいむき方のひとつです。
4位: コツは一切不要!
「賞味期限間近のゆで卵」
特別なコツを必要とせず、最も難易度の低いむき方、というかゆで方がこの「賞味期限間近のゆで卵」です。これは鮮度が落ちることで卵内にガスが発生し、卵と殻がはがれやすくなる性質を利用したもの。
実際に試してみると、鮮度の良い卵と比べると賞味期限間近の卵の方が殻の張り付いた感覚が弱く、スルスルと殻がむけていくのがわかります。
賞味期限の近い卵は、とてもむきやすいです。問題は、ゆで卵を食べたい時に賞味期限間近の卵があるとは限らないということ。ゆで卵のために、わざわざ鮮度を落とすのも微妙ですよね。
新鮮な卵だと殻と白身が剥がれがち、もったいないのでほかの方法でむきましょう。
5位: ゆで上がりに氷水に浸ける
「瞬間冷却むき」
メジャーなむき方の1つであり、基準となるむき方がこの「冷却むき」です。ゆで上がった卵をすぐに冷水につけることで卵が収縮し、卵と殻に隙間ができてむきやすくなる性質を利用します。
水道水と氷水とを比べたところ、圧倒的に氷水がむきやすくなりました。しかしながら、氷水を用意することがやや面倒というのが問題です。
水道水だと、熱々のゆで卵を内部まで冷やすことが難しく効果が出づらくなりました。そのため、冷やしてむくなら氷水を用意することをオススメします。
スタンダードなむき方だけあって結果は上々、キレイにむけました。
6位: 片手でできる手軽さが
魅力の「転がしむき」
今回の検証で、唯一片手で殻がむくことができたのが「転がしむき」です。
このむき方は、卵の殻にヒビを入れ、平らな面で押し転がしながら殻を剥くのが特徴。試してみたところ、1回目は力加減が分からず白身にヒビが入ってしまいましたが、2回目以降はヒビが入らずむくことができました。ややコツが必要ですが、この手軽さが魅力大です。
力加減次第で白身に亀裂が入りがちなので注意しましょう。
平らな面で優しく転がしてあげれば、このように割れてしまう心配もありません。
7位: 水道の強めの水圧でスルッと
殻が外れる「水圧むき」
強めの流水を卵に当てながら殻をむく「水圧むき」は、殻の隙間に水が入り込み、大きな殻が一気にむけるので非常に気持ちがよいむき方です。
しかし、むくほどシンクに殻が散らばる上に、水を出しっ放しにするので、卵の個数が増えるほど水道代がかさむという負の連鎖が順位を下げる要因となりました。
ひとつむくのに早くても10秒近くはかかってしまうので、大量の水を出し続けることになってしまいがち。大量のゆで卵をむく際にはあまりオススメできません。
8位: 事前の練習が不可欠な
「息吹き込みむき」
慣れると早くむけるのかもしれないが、コツを覚えるまでが難しいのが「息吹き込みむき」です。
卵の上部と下部の殻をむいて、白身部分に口を当てて思い切り息を吹き込みますが、初めは卵はピクリともしませんでした。持ち方や吹き込み方を変え、なんとか殻から出すことができましたが、コツが必要なむき方と言わざるを得ません。
直接口をつけてるため、個人用としてむくのが無難です。
上から見るとこんな感じ、むきすぎに注意しましょう。
下側も上と同様に小さく殻をむいておきます。
飛び出た卵はボウルでキャッチすれば汚してしまうこともありません。
9位: 殻をむいた隙間から
「卵に水を流し込む」
残念ながら最下位となってしまったのは、「流水を卵に流し込む」むき方です。
卵の上部と下部の殻をむき、流水を当てながらむくのですが、とにかく非常に難しい。最近の蛇口の形にあまり対応していないことや、水量調節の難しさ、一個むくのに対して必要な水量が多すぎるなどの理由から、あまりオススメはできません。
最近のシンクの蛇口はシャワーノズルタイプが多いこともあり、水量を一点に集中させづらくなっています。また、エコのためか蛇口から出る水もそこまで強くはならないこともあり、流水の力だけで殻をむくのは難しいむき方でした。
蛇口の形によっては不可能なので、環境を選んでしまうのもいただけません。
状況次第ではこちらがオススメ 項目別むき方ランキング
ここまでは総合的なランキングを紹介しましたが、ここでは「早むき」「コツなし」「道具未使用」という3つの条件下でのランキングを紹介していきます。ランキング上位のむき方が合わなかったという方は、こちらも参考にしてください。
早むきTOP3
第1位 転がしむき(約3秒)
第2位 コップむき(約5秒)
第3位 コンテナーむき(約10秒)
ナンバー1は転がしむき方の3秒ですが、コツが早さに直結するため、練習を重ねれば他のむき方でも1位と同じくらいの早さになる可能性は十分にあります。しかしながら、仕上がりの綺麗さと早さの両立は非常に難しいので、コツをいかに使えるかがポイントになるでしょう。
コツなしTOP3
第1位 賞味期限間近の卵
第2位 冷却むき
第3位 コンテナーむき
賞味期限間近の卵を使用したゆで卵と冷却むきは、特別なむき方を行わないので、基本的にはコツを一切必要としません。また、3位にランクインしているコンテナーむきは、通常のむき方とは異なるものの、子どもから高齢者まで幅広い層でできることを加味してこの順位としました。
道具未使用TOP3
第1位 賞味期限間近の卵
第2位 事前ヒビ入れむき(※スプーン不使用の場合)
第3位 転がしむき
特別な道具を使用しないむき方をピックアップしましたが、トップは賞味期限間近の卵を使用したゆで卵で間違いないでしょう。2位の事前ヒビ入れむきと3位の転がしむきは、平らな面でヒビを入れるコツさえ掴めば、非常に楽なむき方です。
正確な結果を導き出すための 検証時のポイント
今回の検証では使用する卵によって結果が左右されてしまわないように、使用する卵の鮮度やゆでる際の条件を一定に保って行いました。また、それぞれのむき方は4つのポイントを数値化し、その合計点数で評価しています。
1.卵のゆで方
沸騰したお湯で生卵を9分間ゆでた完熟卵で検証を行っています。今回の検証では、半熟卵には対応していないので、行う際は注意してください。
2.卵の鮮度
条件に「鮮度を落とす」「賞味期限が近い」という断りがないかぎり、卵はすべて採卵から1週間以内の生卵を使用して検証を行っています。
3.評価のポイント
最終的な結果は、むき方が難しいか易しいかを判断する「難易度」、技術を必要とするかしないかを判断する「コツ」、一度にどれだけむけるかなど、時間効率のよしあしを判断する「効率」、特殊な道具が必要かなどを判断する「手間」という、4つの観点から総合的に判断しています。
誰でも簡単に、そして綺麗にむける方法を検証してみた結果、分かったことがあります。それは、どのむき方も共通して、「殻(薄皮)」と「白身」の隙間に水や空気を送り込んでいるということ。物理的な衝撃や、温度差による収縮、食材が発生させるガスなどさまざまな方法で隙間を広げ、水や空気を送り込むことでスムーズな殻むきを行っているのでした。なお、検証に使用した大量のゆで卵は、編集部で美味しくいただきました。