お気に入りのカトラリーで食べる “野外でごはん”は最高においしい!
山ごはんやキャンプ料理などに必要なものといったら、シングルバーナーやクッカーを思い浮かべると思いますが、じつはもうひとつ大切なものがあります。それが「カトラリー」です。
ひとくちにカトラリーといっても、家庭で使うものとは少し違い、アウトドア用品としての性能も求められます。
使い勝手がいいのはもちろん、コンパクトにしまえる収納性、1本で何役もまかなえる多機能性があると、より便利に使えます。
また、素材によっても使用感や耐久性が変わってくるので、どのような素材で作られているかも気にしておきたいところです。
そんなアウトドアで使えるカトラリーを解説してくれるのは、低山小道具研究家の森勝氏。
どのようなタイプがあるのかだけでなく、“選び方のポイント”や、“おすすめの8製品”もランキング形式で紹介してもらいます。
それではアウトドア用カトラリーの種類やそれぞれの特徴について、解説していきましょう。
さっそくですが結果発表! 1位はトゥーゴーウェアでした
トゥーゴーウェア(TO-GO WARE)
クラシック バンブー カトラリーセット
実勢価格:2160円
結論を先に言いますと、トゥーゴーウェアの竹製のカトラリーセットがおすすめです。
金属やプラスチック製のカトラリーが多いなか、竹という自然素材を使い、幅広い食事に対応する箸、スプーン、フォーク、ナイフの4点セットで使いやすい収納ケースも付属されている点が高評価のポイントとなりました。
付属の収納ケースは汎用性の高いシンプルなデザインなので、サイズが合えば別製品を収納しても良いですね。
とはいえ、ちょっと価格が高い製品なので、カトラリーに何を求めるかで2、3位の製品が候補に上がる可能性も。
ということで、ランキングをチェックする前に、カトラリーにまつわる基礎知識から見ていきましょう。
ポイントは“使いやすさ”と “コンパクト性”のどちらを選ぶか
まずは基礎知識として、カトラリーの種類について解説していきましょう。
カトラリーは、形状や収納方法によって「折りたたみ式」「一体型」「セット」の3タイプに分けることができます。
それぞれに使い勝手が違ってくるので、使いやすさを優先するのか、それともコンパクト性を重視するのかで選んでみてください。
それでは選び方のコツとして、それぞれのタイプの特徴を解説していきましょう。
[カトラリーの種類①]
コンパクトにしまえる“折りたたみ式”
二つ折りにして収納できる「折りたたみ式」は、最もコンパクトに収納できるタイプです。クッカー内に収納することもできるので、かさばることがありません。
ただし可動部分があるので、その隙間が汚れやすというデメリットもあります。
[カトラリーの種類②]
1本で済ますことができる“一体型”
1本にスプーンとフォークなど複数の機能を備えたカトラリーは「一体型」と呼ばれます。モデルによっては、ナイフを備えているものもあります。
このタイプの最大のメリットは、カトラリーを何種類も持たなくていいということ。荷物もかさばらずに済みます。
ただし、一端がスプーン、もう一端がフォークという一体型は、持ち替えたときに手が汚れることがあります。
[カトラリーの種類③]
使いやすさ重視の“セット”
ちょっと小振りなスプーン、フォーク、ナイフが収納ケースなどに入っているのが「セット」です。
使い慣れている一般的なカトラリーと違いがないので、使いやすいです。ただし荷物が少しかさばってしまいます。
カトラリーの種類を把握したら、次は素材の違いもチェックしていきましょう。
使われている素材によって 使用感や口当たりも違ってくる
もうひとつ覚えておきたいのが、カトラリーに使われている素材。これによっても特徴が違ってきます。
カトラリーの素材は「金属製」「樹脂製」「木・竹製」が代表的です。重さや強度、口当たりなどの使用感がそれぞれに違うので、用途や好みに合ったものを選んでみましょう。
それでは、素材別に特徴を解説していきましょう。
[カトラリーの素材①]
破損しない丈夫さが特徴の“金属製”
金属製のカトラリーで使われる素材は、おもにステンレスとチタン。数は少ないですが、アルミが使われているものもあります。
樹脂製などに比べると強度が高いので、簡単に破損してしまうことはありません。
[カトラリーの素材②]
カラバリが豊富な“樹脂製”
比較的価格の安いモデルが多く、カラーバリエーションが豊富なのが、樹脂製の特徴です。
硬質プラスチックが一般的ですが、シリコンなどの柔らかい素材でできているものもあります。
[カトラリーの素材③]
ぬくもりが感じられる“木・竹製”
竹や天然木を素材にしたカトラリーは、口当たりがよく、デザイン的にもおしゃれです。
金属のクッカーと金属のカトラリーのこすれる音が苦手という人にもおすすめのカトラリーです。
カトラリー選びに欠かせない 5つのポイントで徹底検証!
アウトドアに使えるたくさんのカトラリーの中から、どんなものを選べばいいのか、初心者にはわかりにくいところがあります。
そこで今回は、選ぶうえでチェックしておきたいポイントを「使い勝手」「コスパ」「デザイン性」「多機能性」「収納性」の5つとし、これを基準に評価して、おすすめランキングを決定しました。
監修にご協力いただいたのは、低山小道具研究家の森勝氏。選んでもらったおすすめのカトラリー8製品を5つの項目でチェックし、100点満点で採点してもらいました。
[ポイント①:使い勝手(30点)]
食事がしやすいかどうか?
持ちやすいか、料理を取り上げやすいか、口あたりはどうかなど、カトラリーとして一番重要になるのはやはり「使い勝手」です。
多機能性やコンパクト性も重要ですが、食べにくくては本末転倒です。
[ポイント②:コスパ(20点)]
品質と価格のバランスはどうか?
大事な道具とはいっても、やはりカトラリー。ほかの道具に比べれば、あまりお金をかけたくないというのが本音です。
機能的でかつ、価格もそれに見合った、コスパのいいモデルを選ぶのもポイントです。
安くて使えればそれでいい、という選び方でもいいと思います。ただし、実物を見ないで安いものを購入すると、使いにくかったり、破損しやすいものだったりすることもあるので要注意です。
[ポイント③:デザイン性(10点)]
見た目のいいデザインかどうか?
形状、カラー、素材など、トータルでデザイン性のいいカトラリーなら、食事の時間も楽しくなります。
使い勝手も踏まえながら、好みにあったデザインのものを選んでみましょう。
[ポイント④:多機能性(20点)]
いろいろな使い方ができるかどうか?
「刺す」「すくう」「切る」など、いろいろな使い方がきちんとできれば、食事もスムーズに楽しくできます。
コンパクト性を最優先にしないのであれば、このあたりの性能もきちんとチェックしておきましょう。
自分が使いやすいように、セットを組み替えて使う方法もアリ。私は「TO-GO WARE クラシック バンブー カトラリーセット」の箸とケースに「Tritensil Mini Tritensil 100」を組み合わせています。
[ポイント⑤:収納性(20点)]
かさばらず収納しやすいかどうか?
かさばりがちな登山やキャンプの荷物は、コンパクトにしたいものです。カトラリーもまた、かさばらずに収納できるか、持ち運ぶ際にジャマにならないかなども考慮して選びましょう。
実物を見ることができないインターネットでの購入の場合は、収納サイズをチェックしておくといいでしょう。
それではアウトドアで使えるカトラリーの種類や特徴、選び方のポイントがわかったところで、おすすめ製品のランキングをチェックしていきましょう!
竹製で温かみを感じる使用感の カトラリー4点セット
トゥーゴーウェア(TO-GO WARE)
クラシック バンブー カトラリーセット
実勢価格:2160円
サイズ:高さ17.8cm
材質:竹材
▼採点結果
使い勝手 :30点
コスパ :10点
デザイン性:10点
多機能性 :15点
収納性 :17点
総合得点 :82点
箸、スプーン、フォーク、ナイフの4点セットで、どんな料理でも食べやすいです。
そして、なんといっても素材が竹であることが魅力。金属やプラスチックと違って、口触りもデザインもいいです。
ペットボトルのリサイクル素材でできた収納ケースも秀逸。セットをまとめやすく、ほかのカトラリーを“ちょい足し”できる余裕もあります。
セットの中に箸が入っているのが、ポイントの高いところ。しかし全体的に見て、価格は少々高い気がします。
軽くて丈夫でしかも安い! チタン製のカトラリー
Boundless Voyage
2 in 1チタンスプーン チタン箸
実勢価格:1800円
サイズ:長さ22.5cm(箸)、16.8×3.5cm(スプーン)
重量:12.6g(箸)、21.2g(スプーン)
材質:チタン
▼評価結果
使い勝手 :20点
コスパ :18点
デザイン性:5点
多機能性 :12点
収納性 :10点
総合得点 :65点
スプーンとフォークの一体型カトラリーと、フルサイズの箸がセットになったチタン製モデル。箸がフルサイズなので、とても使いやすいのがポイント。
使いやすいのはいいのですが、折りたためないのでスタッキングには少々困ります。
チタン製品なのに、2000円以下で購入できるというのは、お買い得感があります。
日本初上陸!つなげると ロングサイズで使える優れモノ
トライテンシル(Tritensil)
Mini Tritensil 100
実勢価格:810円
サイズ:長さ12.6cm(収納時)
重量:8.5g
材質:強化プラスチック
▼評価結果
使い勝手 :18点
コスパ :15点
デザイン性:7点
多機能性 :12点
収納性 :12点
総合得点 :64点
ハンドルがナイフになったスプーンとフォークがセットになったカトラリーです。スプーンはフォークのハンドルに収納できるので、収納ケースなどは必要ありません。
2本のハンドル同士をつなぎ合わせると、2倍近くの長さにすることができます。深い容器に入っている食べ物をすくいたいときなどに便利です。
プラスチック製ですが質感がよく、安っぽさがありません。アメリカ製ならではの雑な仕上げではありますが……。
4位: 北欧デザインの定番スポークに
収納ケースが付いたモデル
ライトマイファイヤー(LIGHT MY FIRE)
スポークスンケース
実勢価格:1080円
サイズ:19×48cm(収納時)
重量:30g
材質:(スポーク)飽和ポリエステル樹脂、(ケース)ポリプロピレン
▼評価結果
使い勝手 :15点
コスパ :10点
デザイン性:8点
多機能性 :7点
収納性 :20点
総合得点 :60点
おしゃれな北欧デザインが人気の定番スポーク2本と、ケースがセットになったモデルです。
普通のハイキングなどでは、スプーンかフォークがあれば十分に足りてしまうので、日帰り登山などではこれ1本で足りてしまいます。
スプーン、フォーク、ナイフの一体型なので、2本セットでも非常にコンパクトです。しかし、スプーンとフォークを一緒に使うと、手が汚れてしまうデメリットがあります。
ケースはカラビナなどでバックパックに取り付けられるので、気軽に持ち運べます。
5位: とにかく驚きの安さ!
折りたたみ式のカトラリーセット
マグナ(MAGNA)
折畳式6点セット
実勢価格:880円
▼評価結果
使い勝手 :15点
コスパ :15点
デザイン性:4点
多機能性 :15点
収納性 :10点
総合得点 :59点
折りたたみ式の箸、スプーン、フォーク、ナイフがセットになったステンレス製カトラリーです。魅力はなんといっても、4点セットで1000円以下という安さ。コスパがよすぎます。
登山はもちろん、キャンプやピクニックなどにも活躍する製品です。ただステンレス製なので、やや重さを感じます。
収納ケースは開口部の広いメッシュバッグを採用。カトラリーを洗ったあとに、付属のカラビナでつるして干すことができます。
6位: このコンパクトさで
トング付きという驚きのモデル
フォープーン(Forpoon)
フォープーンアウトドア
実勢価格:2700円
サイズ:4×17.6×1.6cm(スプーン時)、4.9×18.5×1.6cm(フォーク時)
重量:24g
材質:ナイロン
▼評価結果
使い勝手 :15点
コスパ :8点
デザイン性:6点
多機能性 :13点
収納性 :12点
総合得点 :54点
簡単な動作でスプーン、フォーク、ナイフ、トングに変形する斬新な一体型カトラリー。
トングはグループ登山の時などにあると便利! また先が細くコンパクトなので、箸のようにも使えます。
7位: マルチツールのようなルックスの
多機能カトラリーセット
冒険倶楽部(BOHKEN CLUB)
7徳スプーン&フォーク付ナイフ
実勢価格:1526円
サイズ:3×4.3×11.3cm(収納時)
重量:180g
材質:ステンレス、ABS樹脂
▼評価結果
使い勝手 :10点
コスパ :8点
デザイン性:3点
多機能性 :17点
収納性 :15点
総合得点 :53点
フォーク、コルク抜き、栓抜き、缶切り、スプーン、小刀、ナイフと、まるでマルチツールのような機能を備えたカトラリーセット。ふたつに分割でき、ナイフとフォークが別々に使えるのが特徴です。
森氏いわく、使っていくうちに用途が厳選され、最終的にはフォークとスプーン以外使っていないのだとか。いろいろな機能を備えているぶん重量は重めです。
8位: デザインに高級感がある
コンパクト収納できる分割式の箸
スノーピーク(snow peak)
和武器
実勢価格:3909円
サイズ:0.8×0.8×20.5cm(使用時)、長さ11.3cm(収納時)
重量:26g(本体)、20g(ケース)
材質:ステンレス、竹、ブラス
▼評価結果
使い勝手 :15点
コスパ :5点
デザイン性:9点
多機能性 :5点
収納性 :17点
総合得点 :51点
2分割して先端をグリップ部に収納できる、コンパクト収納の箸です。デザインに高級感があり、持ってるだけで満足感があります。断面が四角く、置いても転がりにくい特徴があります。
素材などにもこだわっているので、価格は少々高めです。また、パーツが多く細かいものもあるのでなくなりがち。注意して使用しましょう。
以上、アウトドアで使えるカトラリーのランキングでした。
竹製で温かみを感じるトゥーゴーウェアの「クラシック バンブー カトラリーセット」が1位となりました。
▼今回の1位はコチラ
トゥーゴーウェア(TO-GO WARE)
クラシック バンブー カトラリーセット
実勢価格:2160円
いろいろなギミックを備えているカトラリーも楽しいですが、総合的に考えるとベーシックなところに落ち着くという結果となりました。
もちろん、カトラリーに求める性能はスタイルによってさまざまなので、一概にこれがいいとはいえませんが、カトラリー選びの参考にしてください。
登山やキャンプなどで使用する食器は金属製も多いので、金属同士のこすれる音が苦手な人は、樹脂製や木・竹製がおすすめ。