コーヒーミル18台をテスト プロも唸る名機探しました!

コーヒーミルは豆を挽く構造によって味も使い勝手も全然違います。そこで今回、実際に豆を挽くところからプロにお願いし、味わいに加えて操作性やメンテナンス性などもチェック。

コーヒーミル18台をテストプロも唸る名機探しました! イメージ

さらに、豆を挽く際の摩擦による熱はコーヒーの味を損なうため、挽いてすぐのコーヒー粉の温度計測も実施。その他、運転時の音量なども計測して確かめました。

[採点方法]操作性や味など 一定の条件下で並列にテスト

豆、フィルター、ドリッパーなど、ミル以外の要素は全て同じ条件に揃え、抽出したコーヒーの味わいからミルの性能を検証しました。各機器の設定については、基本的にメーカー推奨のペーパードリップ用に合わせ、コーヒーの味以外の要素として、操作性とメンテナンス性も各機種5点満点で評価しています。

採点内容詳細
[チャート項目]
香り/色/雑味/苦み/後味/酸味/甘み/ボディ

[識者採点項目]
・抽出したコーヒー
チャート8項目をそれぞれ1人5点満点で採点しました。

・操作性
操作系統や粉受けなど使い勝手に関わる点を確認。

・メンテナンス
実際の使用を意識し、掃除のしやすさもチェック

[その他]
粉の温度/音量/粉の粗さ/速度

上記の項目も機種ごとにどれくらい差があるのかチェック。項目によっては計測機器を用い数字で確認しました。

強力していただいた識者
日本カフェプランナー協会会長
カフェズ・キッチン学園長
富田佐奈栄さん

コムスペース㈱代表
カフェズ・キッチン講師
中川恵介さん

カフェプランナー
橋谷秀幸さん

カフェプランナー
高梨純治さん

味わいの満足度は随一 初心者こそ頼りたい名機です

業務用ミルを小型化した家庭用モデルの上位機が1位に輝きました。抽出コーヒーの評価では高度な味わいを実現。それでいてシンプルな仕様だから、使い勝手、メンテ性の評価も高い。キッチンに置きたくなるデザイン、質感、どれをとっても秀逸でした。

カット式:カリタ:ナイスカットミル:コーヒー

カット式
カリタ
ナイスカットミル
実勢価格:3万3500円
サイズ:W120×D218×H343mm
重量:2.3kg
容量:ホッパー200g・粉受70g
カッター:カッティングタイプ
能力:130g(1分・中挽き)

[採点結果]喫茶店のコーヒーが自宅でも味わえます

 

  イメージ

全項目で高評価でしたが、とくに味の評価がダントツ。長く愛用できる逸品と、識者絶賛でした。

粉の粗さ

 

  イメージ

挽いた粉の均一な仕上がりは18製品中で群を抜きます。苦み、酸味のバランスが良いです。

音量…84db
所要時間…13秒
粉の温度…23℃

引き具合の微調整も容易

 

  イメージ

粒度調整ダイヤルはセットしやすく、挽き具合の視認性も高い。初心者でも調整に手間取ることなくできます。

挽いている時に豆が暴れない

 

  イメージ

ホッパー内の小カバーによって豆の飛びをおさえ、スムーズかつスピーディーなグラインドを可能にします。

カッターの耐久性も文句なし
 

 

  イメージ

カッターは耐久性の高いニッケルモリブデン鋼を採用。長く愛用したいです。

生産終了で在庫限りですが後継機が登場
本製品はすでに生産終了となっており、購入したい場合は市場在庫のみになります。8月1日現在、Amazonではまだ在庫が確認できました。

また、今年3月後継機種「ナイスカットG」が発売されました。色は「クラシックアイアン」と「アイボリー」の2色を展開しており、先代機から大きな変更点はないものの、デザインや性能の完成度は高められています。

カリタ
ナイスカットG
実税価格:2万8660円(クラシックアイアン) 3万330円(アイボリー)
サイズ:W120×D218×H337mm
重量:3kg
能力:100g/分(カリタ挽き)
カッター:カッティングタイプ
ホッパー/ 受缶容量:50g

業務用のパワーと味はさすが! 価格と取り扱い面だけ惜しい…

挽き時間が9秒と圧倒的に短く、メッシュも安定した仕上がり。味わいには業務用の片鱗を感じさせますが、粉受けの帯電で取り回しに難あり。

グラインド式:フジローヤル:みるっこ:DX R-220:コーヒー

グラインド式
フジローヤル
みるっこDX R-220
実勢価格:5万6500円
サイズ:W165×D245×H360mm
重量:5.0kg
容量:ホッパー200g
能力:250g(毎分)
調節機能:有

[採点結果]所要時間は何と9秒

 

  イメージ

粉の粗さ

 

  イメージ

メッシュは比較的安定しており、審査員の評価も上々だった

音量…87db
所要時間…9秒
粉の温度…24℃
 

フィルターのセットが難点

 

  イメージ

粉受けの帯電が半端なく、微粉がかなり飛び散った。フィルターへのセットもしにくかったです。

静電気対策がウレシイ スタイリッシュなモデル

味わいはバランス良く、イオンによって粉の飛散、付着を防ぐ仕組みは高評価です。ただカラバリはややマニアックなラインナップです。

カット式:カリタ:next G:珈琲:コーヒー

カット式
カリタ
next G
実勢価格:5万9400円
サイズ:W123×D215×H401mm
重量:3.2kg
容量:ホッパー60g・受缶60g

[採点結果]微粉の飛散を防ぐ

 

  イメージ

粉の粗さ

 

  イメージ

中挽き設定にしてはやや荒めの印象だが、それなりの評価

音量…84db
所要時間…36秒
粉の温度…24℃
 

帯電防止気候がすごい

 

  イメージ

マイナスイオンの放出で帯電を防止する機構が秀逸です。

4位: 味と価格のバランスが優秀
エスプレッソにも対応しています

ワイドなホッパーには豆がたっぷり入り、帯電が少なくメンテはラク。コーヒーの味わいもそれなりで、日常使いには申し分ない。「エスプレッソ用タンパ―がついたメジャースプーンもお洒落」(富田さん)との声も。ビギナーに推奨のモデルです。

コニカル式:デロンギ:コーン式:コーヒー:グラインダー:KG364J

コニカル式
デロンギ
コーン式コーヒーグラインダーKG364J
実勢価格:1万1070円
サイズ:W135×D195×H275mm
重量:1.5kg
容量:ホッパー250g・コンテナ110g
カッター:コーン式
調節機能:有(極細挽き~中挽き)

[採点結果]静音性も高く使い勝手は◎

 

  イメージ

メンテ性や操作性など、使い勝手の良さが光る結果となりました。

粉の粗さ

 

  イメージ

粉の粒度は均等に揃っており、コニカル刃のポテンシャルが感じられます。

音量…84db
所要時間…20秒
粉の温度…24℃

慣れないと調整に苦労する

 

  イメージ

挽き具合の調整目盛りはホッパーを回して行う仕様。慣れないうちはやや分かりにくい印象です。

フィルターに落としやすい!

 

  イメージ

粉受けのフロント部分が丸みを帯びており、フィルターに落としやすい。静電気も少なめです。

5位: デザインも使い勝手も◎
だが味で上位機に及ばず

本体はグリップ性が高く、ガラス製ストッカーは樹脂製より静電気発生を抑えられて粉が飛び散りにくい。

コニカル式:ボダム:BISTRO:コーヒー:グラインダー

コニカル式
ボダム
BISTROコーヒーグラインダー
実勢価格:1万5960円
サイズ:W120×D156×H275mm
容量:ホッパー約220g・ストッカー約100g

[採点結果]味わいに酸味が出た

 

  イメージ

識者点が3点加わり、この得点に。

粉の粗さ

 

  イメージ

メッシュはおおむね高評価。均一なので抽出スピードも速いです。

音量…87db
所要時間…13秒
粉の温度…25℃

飛び散らないから掃除がラク

 

  イメージ

噴出口が真下に向いており粉が飛び散りにくいのがメリットです。

6位: 微粉がわずかに残り
コーヒーには苦みが

そうじブラシが付属しており、メンテのしやすさは屈指。豆が入れやすいワイドなホッパーも好印象です。挽き上がりはやや微粉が多く、苦みが感じられました。

コニカル式:メリタ:VARIO-V:コーヒー:グラインダー

コニカル式
メリタ
VARIO-Vコーヒーグラインダー
実勢価格:2万8470円
サイズ:W120×D160×H350mm
重量:3.6kg
容量:ホッパー220g・受皿142g
カッター:コニカル
能力:90~144g(1分)
調節機能:有(40段階)

[採点結果]デザイン性も高い

 

  イメージ

粉の粗さ
底には微粉が残りますが、メッシュはノーマルです。

音量…87db
所要時間…16秒
粉の温度…23℃

7位: 操作性は高評価だが
苦み先行の味が厳しい

粒度目安をボディの左右に表示するなど、操作性の良さが光る。しかし、味わいや深みに欠ける傾向で、ポイントは大きく伸ばすことができませんでした。

コニカル式:deviceSTYLE:コーヒー:グラインダー:GA-1X:Special Edition

コニカル式
deviceSTYLE
コーヒーグラインダーGA-1X Special Edition
実勢価格:1万1620円
サイズ:W110×H233×D150mm
重量:約1.3kg
容量:コンテナ140g
カッター:コニカル式

[採点結果]表示、粉受けは使いやすい
 

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

メッシュは比較的バランス良く仕上がりました。

音量…84db
所要時間…60秒
粉の温度…28℃

8位: 衝撃にも強い構造で
キレのある味を実現

キレのある味は評価できます。本体にセットするブラシなどデザインも先鋭的。しかし、操作表示の分かりにくさは気になりました。

プロペラ式:デロンギ:カッター式:コーヒー:グラインダー:KG40J

プロペラ式
デロンギ
カッター式 コーヒーグラインダーKG40J
実勢価格:5000円
サイズ:W110×D125×H250mm
重量:0.9kg
容量:ホッパー80g・コンテナ80g
カッター:カッター式

[採点結果]ブラシ付属は◎

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

挽き上がりは細かめ。秒数の設定がやや難しい……。

音量…90db
所要時間…25秒
粉の温度…31℃

9位: 味の深みはあまりなく
雑味が少々気になった

挽いている間は横のボタンを押しっぱなしにする必要があり、少々使いづらかった。深みは少なく、雑味が少々気になる仕上がり。

プロペラ式:カリタ:イージーカットミル:EG-45:コーヒー:珈琲

プロペラ式
カリタ
イージーカットミルEG-45
実勢価格:2500円
サイズ:W90×D90×H185mm
重量:665g
容量:40g
カッター:プロペラ式
能力:40g(30秒・中挽)

[採点結果]ボタンの配置が微妙

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

粒度は細かめの傾向があり、雑味も出ました。

音量…85db
所要時間…30秒
粉の温度…28℃

9位: 粒度、刃調整は
素人には極めて困難

挽き時間が1分ほどかかる上、粉の粒度、揃い方も今一つ。習熟するまではメッシュ、刃の調整が難しいため、ビギナーにはなかなかおすすめしづらいといった印象です。

グラインド式:カリタ:セラミックミル:C-90

グラインド式
カリタ
セラミックミルC-90
実勢価格:7280円
サイズ:W185×D95×H225mm(化粧箱)
重量:1.5kg
容量:ホッパー90g・粉受90g
カッター:臼歯式(ファインセラミック製)
調節機能:有(9段階)

[採点結果]設定・掃除がしづらい

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

やや細かめの仕上がり。設定はとにかく困難でした。

音量…43db
所要時間…61秒
粉の温度…30℃

11位: 最初は慣れが必要だが
とにかく安くて手軽

タイマー設定がなく、スイッチを押した時間だけ挽くシンプルな仕様。粒度はやや不均等ですが、作動中に本体を振ることで均一化を図ることも可能。3000円台という価格は大きな魅力なので、ファーストミルとしては十分におすすめできます。

プロペラ式:カリタ:電動ミル:CM-50

プロペラ式
カリタ
電動ミル CM-50
実勢価格:3250円
サイズ:W100×D100×H185mm(化粧箱)
重量:830g
容量:50g
カッター:プロペラ式
能力:50g(15秒・中挽)

[採点結果]価格を考慮すればアリ

 

  イメージ

識者点9点が加算されています。

粉の粗さ

 

  イメージ

プロペラ式は粒度が安定しにくいのがネック。慣れるまでは不均等さが気になるかもしれません。

音量…89db
所要時間…10秒
粉の温度…27℃

 

スイッチが押しやすい

 

  イメージ

真上にあり、押しやすいスイッチ。粒度を微調整しながら挽きだすことが可能になっています。

微粉の残りがやや気になる

 

  イメージ

プロペラ式は粒度が細かめになりがち。カップ内に微粉が残りやすいのは気になるところです。

11位: コーヒーメーカーと
一体で操作はしやすい

コーヒーメーカーとの一体型ですが、今回はミル部分をテスト。プロペラ式なのでシンプルに使えますが、味わいはあっさりして薄め。コク、強さに欠ける点でマイナスポイントになりました。
 

プロペラ式:カリタ:MD-102N

プロペラ式
カリタMD-102N
実勢価格:5620円
サイズ:W310×D170×H215mm(化粧箱)
重量:2kg
カッター:プロペラ式
(カッター)能力:50g(20秒)

[採点結果]コク、強さが今一つ見られず

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

不均等ではありましたが、微粉はさほど見られませんでした。

音量…89db
所要時間…10秒
粉の温度…26℃

13位: メッシュの粒が細かく
エグみが目立った

粒度調整、杯数設定のダイヤルが2つある、フタがしづらいといった難点が目立ちました。コーヒーは粒が細かいため脂が浮き、味のバランスが取れていない。
 

グラインド式:メリタ:パーフェクトタッチⅡ:CG-5B

グラインド式
メリタ
パーフェクトタッチⅡ CG-5B
実勢価格:4330円
サイズ:W113×D153×H219mm
重量:1.1kg
容量:ホッパー100g

[採点結果]フタがしづらくメンテに難あり

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

粒が細かいのでエグみが強調されてしまいました。

音量…82db
所要時間…36秒
粉の温度…22℃

14位: 香りは感じられるが
コク、深みに欠ける

グラインドの秒数設定がなく、自分で時間の目安を見つける必要があります。香りはありますが、ボディと苦みがなくやや残念な仕上がり。

プロペラ式:メリタ:セレクトグラインド:MJ-516

プロペラ式
メリタ
セレクトグラインドMJ-516
実勢価格:2380円
サイズ:W98×D98×H183mm
重量:750g
容量:70g
 

[採点結果]グラインドの目安が不親切

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

メッシュの仕上がりはやや不均一な印象

音量…90db
所要時間…10秒
粉の温度…26℃

15位: 粒度はネジで手動調整
習熟しないと難しい

味のある手回し式ミル。粒度の調整はネジで行う必要があり、手回しの労力もかかります。香りを楽しみながら、じっくり挽き出したい方におすすめしたい製品です。
 

手動:カリタ:ドームミル

手動(臼歯)
カリタ
ドームミル
実勢価格:2460円
サイズ:W125×D120×H170mm(化粧箱)
重量:870g
容量:ホッパー25g・粉受30g

製品じっくり挽いて香りを楽しむ

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

手動調節のためブレはあるが、やや細かめです。

音量…83db
所要時間…44秒
粉の温度…26℃

16位: 鰹節などの食材も
挽ける万能ミル

コーヒーに限らず鰹節などを挽ける汎用型のミル。仕上がりの確認は若干面倒で、操作性・メンテ性には疑問符がつきます。

プロペラ式:タイガー:魔法瓶:ミル:SKR-M070-SF

プロペラ式
タイガー魔法瓶
ミル SKR-M070-SF
実勢価格:4460円
サイズ:W116×D126×H238mm
重量:1.3kg
容量:70ml

[採点結果]メンテ、掃除は少々面倒かも

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

不均一な仕上がりで、コーヒーには厳しいという印象でした。

音量…92db
所要時間…18秒
粉の温度…32℃

17位: 苦みとボディ、後味の
バランスに疑問符が

「バランスが良くない」と味わいは厳しい評価。豆がケース内で暴れ、挽き終わりまで時間がかかるのもマイナスポイント。

グラインド式:デロンギ:うす式:コーヒー:グラインダー:KG79J

グラインド式
デロンギ
うす式コーヒーグラインダーKG79J
実勢価格:6090円
サイズ:W130×D160×H260mm
重量:1.5kg
容量:ホッパー120g・コンテナ100g
カッター:うす式
調節機能:有(細挽き~粗挽き)

[採点結果]ケース内で豆が暴れる!

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

やや細かめではあるが、メッシュは悪くありませんでした。

音量…86db
所要時間…16秒
粉の温度…29℃

18位: メッシュが不均一で
味に深みが出なかった

ステンレスカップを挿入する仕様で、静電気も気になりません。しかし、味わいは低評価。粗さが不均一で味に深みが出ませんでした。
 

プロペラ式:ラッセルホブス:コーヒー:グラインダー:7660JP

プロペラ式
ラッセルホブス
コーヒーグラインダー7660JP
実勢価格:4610円
サイズ:W125×D125×H215mm
重量:1.1kg
容量:60g

[採点結果]フォルムはオシャレです

 

  イメージ

粒の粗さ

 

  イメージ

ばらつきの大きさが気になる仕上がりでした。

音量…92db
所要時間…10秒
粉の温度…26℃

以上、コーヒーミルランキングでした。1位のカリタは旨いコーヒーを約束してくれる本物の逸品です。粉コーヒー派もこれを機に、豆コーヒーデビューを検討してみてほしいくらい。ぜひお試しあれ。

360.life(サンロクマルドットライフ)は、テストするモノ誌『MONOQLO』、『LDK』、『家電批評』から誕生したテストする買い物ガイドです。広告ではない、ガチでテストした情報を毎日お届けしています。