1000円以内の酒とつまみで酔える チェーン店に広がるせんべろの波
突然ですが、「せんべろ」なる言葉を聞いたことありますか?
せんべろとは、1000円でべろべろに酔えるような価格帯の居酒屋の俗称です。
定番どころでは、吉野屋の「吉呑み(よしのみ)」のように「せんべろセット」や「ちょい呑み」といったメニューを打ち出す飲食店が増加しており、居酒屋のみならずファミレスやファストフード業界にもその波が広がっているんです。
そんなブームの広がりが落ち着きを見せてきたところで、今回は飲食店のチェーン店におけるせんべろメニューを覆面調査してみました。
せんべろが可能なチェーン 5店舗を覆面調査しました
今回の検証では、税込1000円以内でお酒最低1杯+おツマミ2品を条件にお店をリストアップ。その結果、5軒が対象になりました。
検証内容は、まずプロの協力を得て5軒のせんべろメニューを実食。その上で以下の4項目で採点しました。
▼検証項目はこちら
検証項目1:味50点満点(お酒すすむ度、ボリューム、風味、肉汁、味付け各10点)
検証項目2:サービス30点満点(メニューのわかりやすさ、おかわり、卓上調味料等各10点)
検証項目3:店内様子10点満点(清潔感、雰囲気各5点)
検証項目4:接客10点(あいさつ、対応各5点)
最終的に、以上の合計点を総合得点として、ランキング化しました。
それでは早速、検証結果をご覧ください!
特にれんこんとエビが絶品なてんや お酒に相性抜群の天ぷらを堪能!
株式会社テン コーポレーション
天丼てんや
▼ベストセットの内容は……
天ぷらビールセット:630円
大根おろし :60円
ハーフ玉子てんぷら:60円
グラスビール :250円
合計価格 :1000円 (調査当時の価格)
▼検証結果
味 :43点
サービス:26点
店内 :9点
接客 :6点
総合得点:84点
てんやの「せんべろ」的特徴といえばやはり、天ぷらを肴に安くお酒を楽しめるということ。特にエビとれんこんはこの値段にもかかわらず非常に上品な味わいで、ビールだけでなく冷酒にもマッチします。
ほかにもおつまみメニューは豊富。
どれもリーズナブルなのが嬉しいところです。
その他、大根おろしやショウガなど、天ぷらの添え物もお酒を飲み進めるには十分すぎるほど。てんや呑みは至高でした。
ポイント:天ぷらビールセットは冷酒に変更できます
さらにてんやは、天ぷらビールセットのビールを冷酒に変更することも可能。
これでビールと冷酒の2種類で楽しることになり、のんべえ的満足度もさらにアップするというわけです。
甘め豚皿と紅生姜が絶品の吉野家! 味わい深い冷酒は絶対に外せません
株式会社吉野家
吉野家
▼ベストセットの内容は……
グラスビール:200円
豚皿 :300円
ポテトサラダ:140円
冷酒 :340円
合計価格 :980円 (調査当時の価格)
▼検証結果
味 :40点
サービス:20点
店内 :6点
接客 :6点
総合得点:72点
「せんべろ」という言葉を世に広める一助になったのが吉野家の「吉呑み」。もちろん現在もたくさんの酒飲みが集まります。
さらに、プロがうなったのが、豚皿+卓上の紅生姜のコンビ。もともと甘めの味付けだった豚肉がショウガと合わさり、お酒が進むしょっぱめのアテになります。冷酒との相性も抜群です。
ポイント:ただものじゃない冷酒
プロが吉野家で二度目にうなったのが冷酒。バランスの良い味わいで値段不相応すぎます!
ワインと合うつまみ豊富なガスト 揚げ物好きにはたまらないお店!
株式会社すかいらーくホールディングス
Cafeレストランガスト
▼ベストセットの内容は……
揚げたてアジフライ :214円
ほうれん草ベーコン :214円
ちょい盛りポテトフライ:214円
アサヒスーパードライ :216円(ハッピーアワー)
グラスワイン(赤) :107円
合計価格 :965円 (調査当時の価格)
▼検証結果
味 :31点
サービス:21点
店内 :13点
接客 :6点
総合得点:71点
グラスワイン、スーパードライ(ハッピーアワー)と安く飲めます。揚げ物を中心にそろえるのが好評価。平日14~18時がハッピーアワーとなっており、お酒好きがこぞって足を運びます。
ただし、「海老とアボカドのタルタル仕立てはちょっと……」とプロの評価です。
ポイント:ほうれん草が極上のアテになります
ほうれん草はわずかに塩気不足なので、卓上の塩をふりかけると、さらなる極上のつまみになります。
4位: 白ワインと真イカは黄金コンビ
オリーブオイル系料理が◎なサイゼ
株式会社サイゼリヤ
サイゼリヤ
▼ベストセットの内容は……
真イカのパプリカソース:199円
ほうれん草のソテー :199円
セロリのピクルス :199円
グラスビール :299円
グラスワイン(赤) :100円
合計価格 :996円 (調査当時の価格)
▼検証結果
味 :34点
サービス:17点
店内 :12点
接客 :6点
総合得点:69点
ちょい呑みスポットとしても認知されている、お財布に優しいファミレス「サイゼリヤ」。プロを唸らせたのが真イカのパプリカソースで、ワインとの相性抜群です。
また、アレンジを楽しめるのもサイゼリヤの魅力で、プロおすすめの食べ方が、ほうれん草のソテーの卓上アレンジ。
オリーブオイル、塩、粉チーズをかけて混ぜ合わせれば、ワインとの相性◎な、やみつきおつまみが完成します。
ポイント:ワインはいろんな種類を少しずつが正解
デカンタワインは250ml入っているので、色んな味を楽しみたいならグラスがおすすめです。
5位: 肉も魚も楽しめるすき家
でもビールしか選べないのが残念
株式会社すき家本部
すき家
▼ベストセットの内容は……
牛皿(ミニ) :220円
鮭 :220円
マヨポテ :80円
ビール(中瓶):410円
合計価格 :930円 (調査当時の価格)
▼検証結果
味 :28点
サービス:16点
店内 :14点
接客 :6点
総合得点:64点
牛丼チェーンのすき家ですが、肉だけでなく魚も楽しめるんです。特筆すべきは焼き鮭の美味しさ。フワッとした身をキープしながら香ばしさもあります。
ただ、「呑みすき」なる特殊コースのある店舗以外はお酒が瓶ビールのみなので、色々呑みたい人には物足りないかもしれません。
番外編:アルコール調査 フルーティーなガストワインが秀逸
以上5店舗のせんべろメニューを検証してきましたが、お酒の味ももちろん重要。
そこで、味が大きく変わらないビールを除く、各店舗のお酒を飲み比べしたところ、プロやテスターたちの間で好評価を得たのが、ガストのワインでした。
全般的にお酒メニューのアルコール度数を低めに設定しているのか、あっさりと飲める印象。お酒が得意でないテスターもこれなら飲めるとのことでした。
ちなみにテスターたちの中でもっとも「アルコール度数が低い?」と話題になったのがガストのレモンサワー。流行りの強炭酸系ではないサワーでした。
以上、せんべろできるチェーン飲食店5店舗のおすすめランキングでした。
今回の第1位は、お酒のアテに絶妙なメニューが豊富なてんやに輝きましたが、他の店もお仕事帰りなどにチェックしてみると楽しいかもしれませんよ!