キッチン食器洗いに革命?
手軽で便利な新型泡スプレー

数年前から登場した“泡スプレータイプの食器用洗剤”、ご存知ですか? スプレー式の洗剤をシュッとかけて数分おいて、水で流すだけという手軽さで注目を集めています。

とくに、最近登場した定番「JOY」の泡スプレータイプは、CMをご覧になった方も多いのではないでしょうか。ノズルが狭い範囲と広い範囲で切り替えられるので、使いやすさが魅力です。

泡スプレータイプがどういうところで便利かというと、スポンジでは洗えない物が洗える点です。

たとえば水筒の底やキャップ部分、子どものストローマグ、タッパーのフタの溝、ティーポットの注ぎ口部分など、スポンジが届かないような場所に直接スプレーすると汚れを落としてくれるそうなんです。

写真/PIXTA

もちろんふつうの洗い物でも、油汚れべったりのフライパンやお皿にスプレーしておいて、あとの洗い物をラクにするという使い方もできます。

今までの食器洗いを画期的に変えてくれるのでしょうか…!

キッチン泡スプレー洗剤を
選ぶときのポイントは?

届きにくいところでもしっかり届くという点で十分惹かれますが、やはりそれだけで買うわけにはいきません。ニュータイプの製品といえど、従来の食器用洗剤と同じく、洗浄力や除菌力などの高さは必須です。

ポイント① 洗浄力
こびりついた汚れや、油汚れのヌルヌルをラクに落とせるか。これで食器洗いの手間が大きく変わります。

ポイント② 除菌力
菌をどれだけ除去できるか。食中毒の予防にも重要な点です。

ポイント③ 手肌へのやさしさ
泡スプレーは直接洗剤にふれる時間が短いですが、手肌に刺激が少ないことも外せません。

ポイント④ 使い勝手
洗いにくい所に泡がしっかり届き効果を発揮するかは泡スプレータイプの最大のポイントです。

以上のポイントをクリアするものが、泡スプレー洗剤に見つかるでしょうか?

キッチンほんとにスポンジ不要?
3製品の実力を検証します

代表的な泡スプレータイプを用意しました。

今回は検証するのは、
・P&G「JOYミラクル・クリーン泡スプレー」
・花王「キュキュットCLEAR泡スプレー」
・ミヨシ石鹸「食器洗いせっけんスプレー」

の3製品です。検証は、社内ラボの検証チームと編集部で実施しました。

検証方法をカンタンにご紹介します。

▼検証方法
[テスト① 洗浄力]
もっとも重要な洗浄力は、赤く着色した専用油脂を塗ったプレートにて検証。

洗浄前の試験用プレート。赤いのは頑固な油汚れです。

このプレートを専用の機器を使って各洗剤で洗い、洗う前と後を数値化しました。
(※比較のため、洗剤を使わず水だけで洗ったものも用意。洗浄率はわずか6.8%でした)

水洗いだと、汚れはほとんど落ちません。

また、上記テストのほか、ミートソースがついたお皿を用意し、洗剤を直接吹きかけて数分間置き、汚れの落ち具合を確認しました。

ミートソースがべったり。落ちるでしょうか…。

[テスト② 除菌力]
生肉をお皿にしっかり塗りつけたあと、各洗剤で洗浄。お皿に菌が繁殖するかチェックしました。

水洗いだけだと全体に菌が発生します!

[テスト③ 手肌へのやさしさ]
手肌の皮脂の構成に似ている卵白を使って検証。洗剤をスプレーしタンパク質の変化を確認しました。

タンパク質の変化=肌へのダメージ。

[テスト④ 使い勝手]
泡スプレーは使いやすさがキモです。“汚れがつきやすくて洗いにくい”ものばかりを検証しました。

気になるラインナップは以下の通りです。
・タッパーのフタの溝

作り置きしてたミートソースが入り込んでしまったフタの溝部のあるある汚れを再現しました。

・タンブラーのフタ

コーヒーがついたまま乾いたタンブラーのフタ。茶しぶに近い汚れですが、果たしてラク落ちは叶うのでしょうか。

・ごまドレッシングの注ぎ口

先端部は小さくてスポンジが入り込むのも困難。「スプレータイプならば」と期待してしまいます。

・ストロー

洗剤が届かず、なんとなく洗い流している人も多いストロー。泡ならちゃんと届くのでしょうか。

この4点に各洗剤をスプレーをして、汚れにしっかり泡が届くか、泡だけで汚れは落ちるか検証しました(※汚れ具合はすべて均一になるように準備されています)。

それでは検証結果の発表です! 泡スプレータイプが気になっていた方は、買う前にこの結果をチェックしてください!

キッチン洗浄力がおどろきの低さ…
今後に期待のJOY泡スプレー

P&G(ピーアンドジー):ミラクル・クリーン泡スプレー 微香タイプ:食器洗剤

P&G(ピーアンドジー)
ミラクル・クリーン泡スプレー 微香タイプ
実勢価格:375円

容量:300ml
洗剤タイプ:アルカリ性

話題の新製品、P&Gの「JOY ミラクル・クリーン泡スプレー 」は高い除菌力を見せたものの、洗浄力は期待よりはるかに低い結果となりました。スポンジいらずとはいかないようです。

▼テスト結果
 洗浄力:D
 除菌力:A
 手肌へのやさしさ:B
 使い勝手:B

水洗いと変わらない洗浄率で、期待を下回りました。

まず評価にブレーキをかけたのは洗浄力です。なんと洗浄率は水洗いとほぼ同じ6.7%という残念な結果でD評価に。キュキュットの洗浄力67.2%と比べてもかなり遅れをとっています。

指定時間の5分経っても汚れはほとんど落ちず。

さらにミートソースのついたお皿も同様の結果でした。つけ置き時間は公式推奨の5分でしたが、お皿の汚れにほぼ変化なし。高い洗浄力を求められる食器用洗剤として大きな課題です。

塩原みゆき
LAB.360(ラボドットサンロクマル)研究員
塩原みゆき のコメント

泡を吹きつけ数分放置しましたが、プレートの汚れはほぼ落ちませんでした。

一方、除菌力は大変優秀でした。隅々まで見ても菌の繁殖が見られず、除菌力は高いといえるでしょう。

5分放置で菌の繁殖なし。優秀な結果です。

手肌へのやさしさはB評価とまずまず。肌に見立てたタンパク質に多少変化が見られました。

洗剤にふれる時間は短いとはいえ、液性がアルカリ性洗剤なので、中性洗剤よりは肌へ影響する可能性があります。

アルカリ性で少し変性あり。
塩原みゆき
LAB.360(ラボドットサンロクマル)研究員
塩原みゆき のコメント

成分は悪くないけど、今回唯一のアルカリ性で肌荒れしやすい傾向です。

注目の使い勝手では、B評価にとどまりました。泡自体はシャバシャバした柔らかい泡で、その性質のためにスポンジでは洗えないような細かい隙間にしっかり届きました。狭いところは得意なようです。

タッパーの溝やタンブラーのフタ、ストローはお任せできます。

ドレッシングのフタに少し油残りあり?

難点は、ミートソースやドレッシングなどのハードな油汚れがすっきり落ちていなかった点です。洗浄力の低さがまたしても足を引っ張りました。

注目のJOY泡スプレーは洗浄力がまさかのD評価で、今後の進化に期待という状態です。また、つけ置き推奨時間が5分と他の製品に比べて長いので、使う場合は洗い物を始める前につけ置きしておくのがマストです。

キッチンキュキュットも洗浄力で苦戦
スポンジいらずにはあと一歩か

花王:キュキュット CLEAR 泡スプレー:食器洗剤

花王
キュキュット CLEAR 泡スプレー
実勢価格:300円

容量:300ml
洗剤タイプ:中性

花王「キュキュット CLEAR 泡スプレー」は、ラインナップ3製品中ではトップの洗浄率でしたが、67.2%といま一歩でした。

▼テスト結果
 洗浄力:C
 除菌力:A
 手肌へのやさしさ:A
 使い勝手:B

洗浄力はもう少しほしいところ…。

軽い汚れは落とせてもガンコな汚れには弱く、スポンジ洗いの手間はなくせそうにありません。

しっかり洗うにはスポンジ必須です

除菌力は申し分ありませんでした。公式でもまな板やスポンジの除菌に推奨されているのも納得です。さらにつけ置き推奨時間も1分ととてもスピーディー!

菌の繁殖をしっかりブロック。

さらに嬉しいのが、3製品中もっとも肌にやさしいという結果です。液性も中性で、実験でもタンパク質の変化が少なく、見た目の変化はほんのわずかでした。食器用洗剤としても肌への負担が少ないといえます。

刺激がほぼなく、やさしさではキュキュットです。

気になる使い勝手ではB評価となりました。軽いものなら汚れ落ちも良好。ですがキュキュットは固めの泡のため、あまりにも細かい部品には泡が流れていかないという意外な弱点が。

溝に入ったミートソースやドレッシングの注ぎ口の油汚れには効果がやや弱かったです。

洗浄力が物足りないですが、泡スプレーを使うなら現時点ではキュキュットがおすすめでしょう。

キッチン無添加だけど手荒れ注意
洗浄力も低いミヨシ石鹸スプレー

ミヨシ石鹸(MIYOSHI):食器洗いせっけん スプレー:食器洗剤

ミヨシ石鹸(MIYOSHI)
食器洗いせっけん スプレー
実勢価格:298円

容量:350ml
洗剤タイプ:弱アルカリ性

ミヨシ石鹸の「食器洗いせっけん スプレー」。無添加せっけんでおなじみのメーカーですが、こちらは残念ながらマイナス面が目立ちました。

▼テスト結果
 洗浄力:D
 除菌力:A
 手肌へのやさしさ:D
 使い勝手:C

洗浄率は43.6%と振るわず。汚れがまだらに落ちていて、すっきり洗えません。菌の繁殖はしっかり抑えられましたが、3製品中でとくに優れているという点もなく平均的です。

ところどころ落ちているものの、もう一声欲しいところでした。

さらに意外だったのが手肌へのやさしさです。液性が弱アルカリ性なので成分的にダメージが大きいことが予想されましたが、タンパク質の変性テストでも全体的に反応がありました。

無添加と聞くと手肌にやさしいイメージですが、今回の検証では他の製品のほうが手荒れは防げるという意外な結果に。3製品中もっとも厳しいD評価となりました。

使い勝手はC評価です。表面の目に見える汚れは落ちるのですが、色素や脂分がやや残ったような洗い上がりで、イマイチ評価が伸びませんでした。

つけ置き推奨時間は1分となっていますが、実際はコーヒー汚れに3分くらい必要でした。

キッチン[番外編]あらゆるテストで
バランスが良いのはチャーミーV

ライオン(LION):チャーミーVクイック:食器洗剤

ライオン(LION)
チャーミーVクイック
実勢価格:135円

容量:260ml

テストする女性誌『LDK』で毎年行なっている食器用洗剤ランキング。売れ筋や新登場の16製品を徹底テストしたところ、2年連続で総合1位に輝いたのが、ライオンのチャーミーVクイック。どのテストでも低評価がなく、ストレスなく使える点がポイントです。

▼テスト結果
 洗浄力:B
 除菌力:A
 手肌へのやさしさ:B
 泡のスタミナ:A+


泡スプレータイプが苦戦した洗浄力ですが、こちらはB評価。洗浄率は74.3%と、しっかり合格ラインです。

B評価で合格。汚れ落ちに不足はありません。

キッチン泡スプレーの課題は洗浄力
今後の進化に期待です

タンブラーやお弁当箱など、洗いにくいもの、手の届かないところを洗える便利な泡スプレーですが、3製品とも洗浄力が合格ラインに達しませんでした。また、しっかり汚れを落とそうとすると大量に消費しなければならず、全体的にコスパが悪いという指摘も。

泡スプレーの中では、現時点のところキュキュットがいちばんおすすめですが、今後さらにパワーアップした製品の登場が待ち望まれます!