高機能なモニタースタンドってなに?
一般的なモニタースタンドといえば、シンプルにモニターを設置するための台ですが、ここにUSBポートHDMIポートが搭載されていたり、スマホを置くだけ充電できるパッドが付属されているのが、高機能なモニタースタンドです。
USBハブやUSBドック、USB PD対応充電器、モバイルバッテリーなどのPC周辺機器に定評のあるAnkerが手がけた「Anker 675 USB-C ドッキングステーション(12-in-1,Monitor Stand,Wireless)」(以降「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」)は、製品名のとおり12の機能が盛りだくさんの高機能スタンドです。
これがあれば、ノートPCやモニター以外、スマホの充電器やUSBハブといったものを別途用意する必要がないので便利。
ただし価格は3万円を超えるため、導入に二の足を踏む人もいることでしょう。
Anker 675 USB-C ドッキングステーションの実力は?
Anker
Anker 675 USB-C ドッキングステーション(12-in-1,Monitor Stand,Wireless)
実勢価格:3万2990円
サイズ:約540×220×90mm
重量:約1660g
2023年3月に発売された「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」は、Windows10/11、 macOS 10.14以降のPCに対応した高機能モニタースタンド。
ワイヤレス充電パッド×1、USB-Cアップストリームポート、USB-Cポート×2、USB-Aポート×3、HDMI×1、3.5mmオーディオジャック、イーサネットポート、miroSD・SDカードスロットを備えています。
ちなみに、すべての機能を使うには、パソコンがUSB Power Delivery(以下USB PD)とDisplayPort Alt Mode、USB-C 3.2 Gen2に対応している必要あるのでご注意を。
また、こちらの商品は、全米民生技術協会(CTA)が主催するテクノロジー見本市「CES 2023」で「CES 2023 Innovation Awards」を受賞しています。
ということで、期待が高まる「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」の実力を、デジタル機器に精通したプロと家電批評編集部が忖度なしでチェックしました!
テスト1:セッティングはしやすいの?
結果:ケーブルマネージメント能力が秀逸でした!
台座の裏面には、ノートPCに接続するUSB-C(ケーブル付属)、モニターに接続するHDMI、有線LAN、USB-A(USB 3.2 Gen2 4.5W)、電源用のDCジャックがあります。
各種端子の横にはケーブルオーガナイザーがあり、余ったケーブルを調節可能。これにより、机周りの配線がスッキリします。
使用する上で接続が必須なのは、USB-C、HDMI、DCジャックの3つ。
USB-Aには、あまり取り外すことがないキーボードのレシーバーや光学ドライブを接続し、有線LANは近くにルーターがある場合に接続するといいでしょう。
アップストリームケーブル(ノートPCへ接続するUSC-C)、電源用のDCジャック、キーボート&マウスのUSBレシーバー、LANケーブル、HDMIケーブルを接続。なお電源は180Wあり、ノートPCが100W充電に対応していても十分な出力が可能です。
すべての端子にケーブルを接続しても、ケーブルオーガナイザーと背面スリットによりスッキリまとまります。
ケーブルは背面だけでなく左右側面からも取り回し可能です。
テスト2:側面の端子類をチェック
結果:非常に高い拡張性がありました!
台座の左側面には、USB-C×2(USB 3.2 Gen2 合計45W)、USB-A×2(USB 3.2 Gen2 7.5Wと4.5W)の計4つのUSBポートがあります。
またSD&microSDカードリーダー、そしてマイク・ヘッドホンを接続する3.5mmオーディオジャックも備えています。
USBはすべてUSB 3.2 Gen2の高速仕様。特にUSB-Cは45WのUSB PDなので、対応機器を高速で充電できます。
一番右のボタンは電源ボタンで、接続したノートPCをここから起動できます。
なお、端子部が左側面に集中しているため、Anker 675 USB-C ドッキングステーションの左側には物を置けず、卓上レイアウトがある程度制限されます。これは人によっては少しマイナスポイントになるかもしれません。
SDカードはセットすると大きくはみ出すので、使用時は上から押さないように注意が必要。
なお、SDカードの読み取り規格は「UHS-I」なので、「UHS-II」対応のSDカードを高速で転送したい場合は、別途対応リーダーを用意する必要があります。
頻繁に位置を動かす製品ではないので、最初にバシッと設置場所を決める私のような人ならレイアウトの制限は気になりません。
テスト3:使い勝手はいいの?
結果:USB-Cケーブル1本で即、使えて便利!
台座の裏面に接続したUSB-CケーブルにノートPCを接続すると、約5秒でモニターに映像が映ります。
それと同時にAnker 675 USB-C ドッキングステーションに接続されている周辺機器をパソコンが認識。
瞬時にデスクトップPC並みの拡張性が得られます。
台座の耐荷重量は10kgで、34インチクラスまでのモニターに対応。
ただし、モニターのスタンド形状によっては天板からハミ出る場合もあるので、事前にチェックしておきましょう。
ノートPCを開いた状態だとデュアルモニター、閉じた状態(クラムシェル)だとモニターがメインモニターになります。
ちなみに、ノートPC以外にiPad Proの映像も出力可能です。
なお、モニターはHDMIでAnker 675 USB-C ドッキングステーションと接続する必要があり、USB-C接続には対応していません。
天板の右端には ワイヤレス充電パッド (5W / 7.5W / 10W)があり、ワイヤレス充電に対応したスマホを載せると充電が開始されます。
AirPods Proを置いても充電できました! 様々な製品や接続をモニターに集約できるのが非常にいいですね。
テスト4:価格をチェック
結果:必要な機能がそろっていると感じるなら、高くはない
最後にAnker 675 USB-C ドッキングステーションの価格について考察します。
本製品の実勢価格は約3万3000円で、モニタースタンドとして捉えると信じられないほど高額です。
しかし、本製品にはモニタースタンドに加えてUSBドックとUSB PD充電器、ワイヤレス充電器の機能があります。
これらをAnker 675 USB-C ドッキングステーションと同性能の製品を個別に購入することを考えると、決して高くないことがわかります。
ちなみにUSBドックやUSB PD充電器などを個別に購入すると2万円台後半になります。それを考えれば、Anker 675 USB-C ドッキングステーションは高くないです。
テスト結果とアピールポイントを総まとめ!
Anker
Anker 675 USB-C ドッキングステーション(12-in-1,Monitor Stand,Wireless)
実勢価格:3万2990円
サイズ:約540×220×90mm
重量:約1660g
▼テスト結果
総合評価 | セッティング | 端子の利便性 | 使い勝手 | コスパ |
A+ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
最後にAnker 675 USB-C ドッキングステーションのよかった点と残念だった点をまとめました。
▼よかった点
- USB-Cのケーブル1本で、ノートPCと接続できる
- ノートPCとスマホを同時に高速充電できる(かつ充電能力が高い)
- 拡張性が非常に高い
- パソコン周りの配線がスッキリする
- 卓上が広く使える
▼残念だった点
- 幅・高さ調節機能がない
- SDカードのアクセス速度がやや遅い
- 人によっては卓上のレイアウトに制限が出る
以上、Anker 675 USB-C ドッキングステーションの正直レビューでした。
昨今のノートPCは小型・高性能化した一方で、画面サイズや拡張性、操作性などが犠牲になっている部分もあります。
しかし、モニターとAnker 675 USB-C ドッキングステーションがあれば、ノートPCでもデスクトップPCに匹敵する利便性が得られます。
外出先でも家でもノートPCをフル活用したいという人は、Anker 675 USB-C ドッキングステーションの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
天板の裏面を有効活用することで、余計なケーブルをまとめられる構造が秀逸です。机上がスッキリして◎ですね!