安さ重視だった回転寿司チェーン 最近は味も価格もレベルが急上昇
回転寿司の代表的なチェーンといえば、くら寿司にスシロー、はま寿司、かっぱ寿司の名前が挙げられます。
ですが、魚介類の宝庫である北陸や北海道発など、ご当地で人気回転寿司チェーン店が、次々と全国に進出しているんです!
激安と高級の間の価格帯となるこれらの回転寿司チェーンは、鮮度にこだわり、丁寧な下処理を施したネタを提供するなど、今までの回転寿司のイメージを超えたクオリティーを追求。
これまで安さ重視だった業界に、新風をもたらしています。
そんな「ご当地の発チェーン店が、回転寿司の常識を変えつつある」という噂を聞き付け、今回は人気回転寿司チェーン店を覆面調査することに。
都内7店舗の味を食べ比べてもらい、味やコスパ、サービスなどを辛口評価してもらいました。
対象となるのは以下の6店舗です。
・北陸金沢 まわる寿し もりもり寿し
・回し寿司 活美登利
・金沢まいもん寿司
・根室 花まる
・活 大江戸
・無添 くら寿司
以上の6店舗は、どれも正直レベルが高そうです。ネタの新鮮度や価格帯など、店によってどのような違いがあるかも楽しみです。様々な視点からプロの目線で厳しくチェックしていきたいと思います!
今回の調査対象店は、2018年12月中旬時点で11店舗以上経営しているチェーン店を中心に、今後全国にチェーン展開しそうなお店に厳選しました。
また価格や店舗数などは12月下旬時点に取材したお店の情報をもとにしており。一部異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
回転寿司チェーン店の味を覆面調査 プロが実食して辛口採点しました
ということで、実際に都内にある回転寿司チェーン6店舗の味をプロに食べ比べていただき、辛口評価してもらいました。
評価は以下の5項目で行い、総合評価をS~Cで行いました。
・おいしさ(赤身)
・おいしさ(白身)
・おいしさ(オススメ)
・コスパ
・サービス
調査してみてわかったのは、各店とも産地直送のブランド力をウリにしていますが、その味を東京まで持って来るのはなかなか難しいようで、お店ごとにネタの保存方法や解凍技術はバラバラでした。
そんな中、回転寿司チェーンの第1位に輝いたのは、全国に約27店舗しかない新回転寿司店でした。それでは早速、気になるランキングをご紹介します。
本まぐろものど黒も極厚で大満足! 北陸金沢「もりもり寿し」
株式会社ウエノフーズサービス
北陸金沢 まわる寿し もりもり寿し
発祥:石川
店舗数:約27店舗
店舗所在地:東京、神奈川、埼玉、山梨、石川、滋賀、愛知、大阪、京都、兵庫、奈良
メニューの一例
本まぐろ赤身1貫 410円、金沢名物のど黒1皿 648円、能登天然寒ぶり1皿 518円、天然平目(能登・輪島漁港)1貫 540円 他
石川県野々市に本店を構え、全国に約27店舗を展開中の「もりもり寿し」が見事1位に輝きました。
- おいしさ(赤身): 4.5/5pt
- おいしさ(白身): 4.5/5pt
- おいしさ(オススメ): 5/5pt
- コスパ: 4/5pt
- サービス: 5/5pt
- 総合評価: S
総合評価は最高評価のS、コスパこそ星4つですが、それ以外はほぼ満点の成績となりました。
プロが絶賛したのは、そのネタの新鮮さ。そのうえ、本まぐろやのど黒といった高級な日本海の幸がお手頃価格で堪能できます。
シャリとのバランスもよく、まるで高級店のような満足感を得られると、プロも大絶賛でした。
もはや「チェーン店」の概念をくつがえすレベル! 臭みは一切なく、噛む程に旨みが溢れ出てくる「天然寒ぶり」や上品な脂の甘みが口一杯に広がる「のど黒」は、まるで高級寿司店のクオリティ。
特に「のど黒」は通常、脂が多いため、くどさも残りやすいですが、もりもり寿しの「のど黒」は甘さのみ感じられる上品な味わいです。
この品質ののど黒は普通回転寿司では食べられない!
どのネタも想像以上の分厚さでボリューム満点! 少し高くても行く価値はある満足度高い店です。今すぐ全国に増えてほしい、これぞまさしく新定番のチェーン店といえます。
108円のまぐろは業界最高峰! ネタの食感が最高な「活 美登利」
株式会社活美登利
回し寿司 活美登利
発祥:東京・目黒
店舗数:約8店舗
店舗所在地:東京、神奈川、千葉
メニューの一例
まぐろ赤身 108円、炙りのどぐろ 378円、しまアジ 270円 他
惜しくも2位となったのは、連日開店前から行列が絶えない人気店で有名な美登利寿司の回転寿司店 「活」です。どのネタを頼んでも食感が最高です。
- おいしさ(赤身): 5/5pt
- おいしさ(白身): 4.5/5pt
- おいしさ(オススメ): 3/5pt
- コスパ: 5/5pt
- サービス: 3/5pt
- 総合評価: A+
100円まぐろの旨さは回転寿司界の最高峰との呼び声が高いことから、赤身のおいしさは満点! 総合評価はA+でした。
プロが驚いたのは目玉商品の「まぐろ赤身」。赤身ならではの絶妙な酸味もあり、これだけで十分に満足できると太鼓判を押しました。
ネタの鮮度が抜群で、臭みがまるでなくコリコリとした食感まで楽しめます。実際、その他の魚の鮮度も抜群でコスパも良いですが、「のど黒」などの高級ネタが薄く、惜しくも次点扱いとなりました。
味はかなり旨いけど一皿が高い… 「金沢まいもん寿司」
株式会社エムアンドケイ
金沢まいもん寿司
発祥:石川
店舗数:約10店舗
店舗所在地:東京、神奈川、千葉、石川、愛知、大阪、京都、福岡
メニューの一例
本まぐろ赤身 421円、天然ぶり 637円、くえ 842円 他
3位だったのは、金沢のガイドブックに載るほど有名な「金沢まいもん寿司」。味はかなり旨いですが、一皿の価格が高いのが惜しかったです。
- おいしさ(赤身): 4.5/5pt
- おいしさ(白身): 5/5pt
- おいしさ(オススメ): 4.5/5pt
- コスパ: 2.5/5pt
- サービス: 3/5pt
- 総合評価: A
ネタはどれも高評価でしたが、コスパが星2.5と評価を下げてしまいました。結果、総合評価はAでした。
熟成して旨みが増したまぐろや、薬味で後味さっぱりなくえ等、高級店と同じ工夫が味わえます。しかし、少し価格は高めとなっています。
4位: 北海道の地物は食べる価値あり
ネタを選びたい「根室 花まる」
株式会社はなまる
根室 花まる
発祥:北海道
店舗数:約11店舗
店舗所在地:東京、北海道
メニューの一例
本鮪赤身 345円、寒ぶり 410円、根室産さんま 205円 他
4位は北海道根室発祥の「根室 花まる」。さんまやいくらなど、北海道産の食材がウリで、足の早いさんまも鮮度抜群です。
- おいしさ(赤身): 3/5pt
- おいしさ(白身): 3.5/5pt
- おいしさ(オススメ): 2/5pt
- コスパ: 4/5pt
- サービス: 2/5pt
- 総合評価: B+
オススメは北海道の食材というだけあって星5つでしたが、他は平均星3つと結果は振るいませんでした。
ネタが皿につく程豪快で巨大だから、北海道産の魚は必食です。しかし、九州産のぶりなどは味が微妙で、若干、割高感を感じることもあったのが残念でした。
5位: 一皿150円と安心の古き良き寿司
板前の手際が光る「活 大江戸」
有限会社大江戸商事
活 大江戸
発祥:東京・四谷
店舗数:約17店舗
店舗所在地:東京、神奈川、千葉、埼玉
メニューの一例
まぐろ 150円、活〆平目 325円、大江戸海鮮サラダ 150円 他
5位にはカウンターの古き良き回転寿司「活 大江戸」がランクイン。板前さんの手際の良さが光る安心の回転寿司で、店舗にもよりますが、一皿は約150円でコスパも高いです。
- おいしさ(赤身): 3/5pt
- おいしさ(白身): 3/5pt
- おいしさ(オススメ): 2.5/5pt
- コスパ: 3/5pt
- サービス: 2.5/5pt
- 総合評価: B
白身のおいしさとコスパは評価が高かったものの、サービスが星2つとイマイチで、総合評価はB+となりました。
平目はほのかな甘みを感じましたが、ネタ全般が薄く歯ごたえも少なかった印象です。
6位: コスパ最強もネタが薄くて鮮度も…
ダントツの安さ「無添 くら寿司」
株式会社くらコーポレーション
無添 くら寿司
発祥:大阪
店舗数:約460店舗
店舗所在地:45都道府県、アメリカ、台湾
メニューの一例
天然熟成まぐろ 108円、すだちぶり(1貫)108円、ふぐ昆布〆(1貫) 108円 他
最下位は過去ベスト店の「くら寿司」でした。他店と比較のため調査してみましたが、やはり全品がダントツの安さでした。しかし、価格を考えると質は良かったものの、ネタの薄さが際立ち、味も微妙との結論に至りました。
- おいしさ(赤身): 3/5pt
- おいしさ(白身): 3/5pt
- おいしさ(オススメ): 2.5/5pt
- コスパ: 3/5pt
- サービス: 2.5/5pt
- 総合評価: B
低価格層ではコスパは最強ですが、おいしさを感じませんでした。結果、評価は低くB評価でした。
ネタを薄くしすぎていていずれも魚の旨みを感じません。水気の切り方など保存方法がさらに改善されていましたが、ただ臭みやシャリのべたつきはありました。
お出かけの前に注意! 休日やランチの混雑をチェック
今回調査した新チェーン6店は、安さではなく味がかなり重視されていることがわかりました。なおご紹介したお店は、どれも人気店ばかりです。
休日や連休など混雑が予想される場合は、営業時間や予約方法をチェックしてからお出かけください。
新定番の回転寿司チェーンとなりつつある1位の「もりもり寿し」と2位の「活」は最も勢いがありますので、ぜひ機会があれば味わってみてくださいね!
ネタの下処理や熟成のさせ方などが高級店と同じ細やかさです。