家電北米大ヒットの「黒サメ」上陸
日本でも普及する?

現在、停滞気味の掃除機市場で、唯一伸びているジャンルがスティックタイプのコードレス掃除機です。やはりダイソンが実力でも売上でもトップを走り、次に定番となったのがスウェーデンのエレクトロラックスと海外勢が大健闘。

国内メーカーではマキタが軽量、安価で自宅の「2台目掃除機」としての地位を確立し、ロングヒットを続けています。残念ながら、大手生活家電メーカーはやや遅れをとってしまいました。

そんな“ダイソンとその他”状態にある日本のコードレス市場に参入してきたのが、「シャークニンジャ」です。

北米市場での大ヒットモデルを日本向けに改良した「EVOFLEX」シリーズが、百貨店のポップアップや通販サイト・アマゾンでの先行販売を皮切りに販売がスタートしました。

シャークニンジャ:EVOFLEX S30

シャークニンジャ
EVOFLEX S30
実勢価格:6万9800円
サイズ・重量:W239×H1090×D132mm・約3.33kg
稼動時間:標準モード:約38分(DuoCleanクリーナーヘッド装着時)、約66分(DuoClean非装着時)、強モード:約24分(DuoCleanクリーナーヘッド装着時)、約22分(DuoCleanクリーナーヘッド非装着時)

昨今の掃除機の高級化を受け、新宿伊勢丹が「シャーク」のデビューステージに選ばれました。

「EVOFLEX S30」を手にするのは、シャークニンジャ日本法人の社長に就任したゴードン・トム氏です。

ゴードン氏は、早くから業界をリードしてきたダイソン日本法人の初代社長、そしてエレクトロラックス日本法人でも社長を歴任した、いわば日本でのコードレス掃除機普及の影の立役者。シャークの掃除機は、ゴードン氏の手腕によって日本でも普及するのでしょうか?

家電徹底的にライバルと日本を
研究した痕跡があります

マットブラックな質感に、無骨で工具のような見た目のシャーク「EVOFLEX S30」。そのスペックは、ライバルをちょっとずつ上回り、なんとも絶妙なんです。日本で成功すれば世界で認められるという考えのもと、徹底的に日本の暮らしを研究して開発された痕跡がくっきり!

痕跡①1つのヘッドに種類の異なる2つのブラシ
ダイソンのヘッドは、日本のフローリング主流の住宅事情を徹底的に研究し、ソフトクリーナーローラーヘッドを採用していますが、「シャーク」はそれだけじゃないんです。

前方にフローリング掃除に適したソフトローラー、後方には一般的な掃除機にも見られるブラシローラーを兼備するという工夫がなされています。これにより、さまざまな床材に対応するハイブリッドなヘッドとなっています。

さらなる工夫、前方もガバっと開いています。

この形状によって、大きなゴミなどもしっかりと吸うことができるんです。さらに、日本の家具に合わせてヘッドの厚みが北米モデルより薄く、コンパクトになっています。

痕跡②明るいバックライト
掃除する部分を明るく照らし出すヘッドライトも搭載。

かなり明るい部類です。家具の下などの掃除には、曲がるパイプとこのバックライトの合わせ技でゴミを一網打尽!

痕跡③HEPAフィルター搭載
排気口にハウスダストやアレルギー物質を除去するHEPAフィルターをかませ、排気もキレイと謳っています。

ダイソンほど本格的ではないにしろ、衛生面への配慮が感じられます。

痕跡④絶妙な価格とスペック

※シャークニンジャ「EVOFLEX S30」発売時の価格です。9月7日現在、ダイソン「cyclone V10 Fluffy 」の実勢価格は5万9385円(Amazon)前後。

ダイソン最新シリーズの普及モデルである「Dyson cyclone V10 Fluffy」とスペックを比較すると、最大稼働時間や実勢価格などで"やや"リード。明らかに劣っている点もありますが、それは後ほど……。

痕跡⑤バッテリーが着脱式
「シャーク」は着脱式のバッテリーが2個付属しており、掃除をしたい時にバッテリーが切れている、という状況を防げます。

片方を使用中にもう片方を充電しておけるので、"バッテリーが切れちゃった事件"は起こりません!

バッテリーの残量もLEDで一目瞭然。

なお、バッテリー単体も用意されています。

Shark EVOFLEX:リチウムイオンバッテリー

Shark EVOFLEX
リチウムイオンバッテリー
実勢価格:9000円

いたれりつくせり好印象のシャーク初号機ですが、その実力はいかに?

家電性能はダイソン+マキタ
佇まいはビューティフル!

「シャーク」の実力を図るべく、実際に自宅と会社で2週間ほど使ってみたインプレッションをご紹介します。比較対象として、ダイソンとマキタのモデルも併用しています。

[対象モデル]
シャーク
EVOFLEX S30
実勢価格:6万9800円

ダイソン
cyclone V10 Fluffy
実勢価格:5万9385円

マキタ
CL107 FDSHW
実勢価格:1万4400円


■集塵性能
おがくずとコーヒーの粉を20グラムずつフローリングとカーペットに撒いて、ダイソン、マキタとともに吸引力をチェック!

まずはフローリングから。

[左:シャーク、中:ダイソン、右:マキタ]

さすが現役最強クラスの吸引力を誇るダイソン、通った道幅の分だけキレイになりました! 対してマキタは大量のゴミを一度に吸えず、壁際にゴミが残ってしまいました。

肝心の「シャーク」は、ダイソンに負けるとも劣らないパワーと掃除力でキレイになりました。掛け心地は自走ヘッドの分、「シャーク」のほうが軽くて楽チンです。

お次はカーペット。

[左:シャーク、中:ダイソン、右:マキタ]

またもマキタは残念な吸引力。ダイソンはゴミをしっかり吸い取ってくれるものの、吸いつきすぎるきらいが……。

「シャーク」のいいとこ取りのハイブリッドヘッドは、フローリング同様にスイスイ。床モードやパワーの切り替えが片手で操作できるのもで、使い勝手がいいです。

もちろんゴミもしっかり取ってくれます。これならメインの掃除機として、活躍が期待できます。

■収納モード
意外と困るコードレス掃除機の収納場所。立てかけ収納のダイソンは、最新モデルでようやく滑り止めが搭載されて壁に立てかけられるようになりましたが、未だに"壁の穴問題"に頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。しかし「シャーク」なら"壁の穴問題”とは無縁です。ボタンひとつでくるっと回転し、ロボットみたいに変形しちゃいます!

ほら、こんなに可愛らしくミニマムになるんです。お掃除モードのごつい見た目や、その実力とのギャップに萌えます!

収納モードに変形した後はしっかりと自立するので、スタンドも必要ナシ。充電スタンドもコンパクトなので、置き場所を選びません。

■ゴミ捨て
ゴミ捨てはワンタッチですが、ダストカップは取り外しできません。

詰まって取れにくくなる前に、こまめに捨てたほうがよさそうです。またダストカップは水洗いもできないので、キレイを保つ工夫が必要かもしれません。

■重量
「シャーク」の唯一の弱点、それは重量です。日本モデルは、北米モデルよりかなり軽量化されていますが、3.33キロもあります。

ダイソンやマキタと比較すると、「シャーク」が重量級だとおわかりいただけるでしょう。真っ直ぐ掃除機をかける分には自走式のヘッドも手伝って特に気になりませんが、方向転換をしようとするとどうしても重たい……。

公式ホームページのイメージ写真のように、窓の上のカーテンボックスまで女性が軽々と持ち上げるなんて到底ムリ! かなりの力を要します。

日本人がスイスイ使うには、もうひとまわり小さいほうがいいかもしれません。

結論から言うと、重さが気にならなければ買いです! 「シャーク」を使ってみた感想としては、掃除性能に関しては申し分ありませんが、重さやゴミ捨てなどの使い勝手の面で課題が残されている印象があります。この課題が普及のカギになるかもしれません。今後の改善に期待したいですね。

なお、こちらの記事「大本命ダイソンに真っ向勝負を挑む“シャークニンジャ”の勝算は?」では、日本市場におけるシャークEVOFLEX S30の立ち位置についてまとめました。あわせてご覧いただけますと幸いです!