パソコンアマゾンがレビュアー評価システム
を公開しない理由はちゃんとある

たとえば現在アマゾンが導入しているランキングによるトップレビュアーの評価システム。実はこの評価システムはどういう基準でランクづけされているのかは公開されていません。だとすると、基準が不明確なランキングを信用できるのか? という考えが脳裏をよぎりますが、実際のところこれは逆で、公開されていないからこそ信用することができるといえそうです。

なぜなら、ランキングの基準を公開してしまうと、この基準を満たすための「やらせ」に動くメーカーやレビュアーが出かねないから。トップレビュアーのA氏によると、「このランキングの基準も定期的に調整されているだろう」と語ってくれました。

その証拠として2010年の段階でレビュアーランキングに大きな刷新がなされ、ランキングが一新された事実が挙がります。それまでのレビュアーランキングは単純に「参考になった」の数で集計していた傾向があって、ほとんどレビューしていない人でも、一つでも大量の「参考になった」を稼いだレビューがあればその時点でランキング入りすることができたといいます。

ですが、刷新後のランキングでは、このような形でのランクインは難しくなり、平均して多くの「参考になった」を獲得したレビューが評価されるようになったそうです。

こうした改良を定期的にアマゾンは加えているらしく、今では「良い評価であれ、悪い評価であれ、きちんと実物を触って有用な情報を記載したレビューは多くの『参考になった』を稼ぐことができるようになっている」と、今回取材したトップレビュアーたちは語ってくれました。

パソコンアマゾンとやらせレビュアーとの
戦いの歴史を時系列にご紹介します

ここ数年で「ステマ」といったワードが普及したことや、大統領選でのフェイクニュース騒動があったことから、ユーザーのレビューへの警戒心が世界的に強くなっていますが、アマゾンはユーザーと真摯なレビュアーとが使いやすいレビューサイトを築こうとしています。

しかし、その道のりはとても長きにわたるもの。そこで、アマゾンと「やらせ」レビュアーのこれまでの戦いを時系列にまとめてみましたのでご紹介します。

パソコン【2009年】“発売前”レビューはNG
これを機にレビューは発売後に限定される

有名なゲームに、発売前大量のレビューがついてしまい大混乱したのが2009年。これを契機にレビューは発売後に限定されたという噂です。

400万本を超える国民的大ヒットとなり、アマゾンのTVゲームのジャンルでも堂々1位に。

パソコン【2010年】アマゾンレビューの
ランキング仕様が変更になる

2010年、「参考になった」の集計システムがここで一度変わっています。

一時期は新旧2つランキングがありました。

パソコン【2011~2012年】消費者庁が
ネットのウソ口コミに警告

インターネットにおける「やらせ」やウソレビュー問題について、ついに消費者庁が動き始めたのが2011年。その後、法改正は2012年に行われました。

「やらせ」レビューなどについて、景品表示法の留意事項を公表しました。

パソコン【2013年】SNSなどを中心に
“ステマ”問題が表面化しはじめる

Amazon以外にも、SNSなど交流サイトを中心に問題が起こり、「ステマ」といった単語が広まりはじめたのが2013年。

ステマとは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることです。

パソコン【2014年~2015年】アマゾンが
やらせレビュアー1000人に訴訟を起こす

2014年から2015年には、アメリカで「やらせ」を行っていたレビュアーに対して、アマゾンがついに訴訟を起こすという事態にまで発展。

サイトの信頼を傷つけられたとして、損害額を明示しないまま賠償に。

パソコン【2016年3月】“参考になった”の
分母が表示されなくなる

「○○中○○人が参考になった」という表示が2016年3月に削除されました。これはレビュアー同士のいさかいを防ぐためだったと推測されています。

現在は「○○人のお客様がこれが役に立ったと考えています」となっています。

パソコン【2016年12月】米国大統領選で
フェイクニュースが話題になる

「フェイクニュース」という単語が広まったのが2016年12月。ネットユーザーのウソや「やらせ」に対する警戒心がさらに強まるきっかけに。

アメリカ大統領選挙で話題になったのも記憶に新しいところ。

パソコン【2017年12月】Amazonで購入
しないとレビュー投稿できない商品も登場

昨年末に発売されたこのゲーム。発売直後にもかかわらずレビューが殺到したことから、アマゾンは購入者以外はレビュー投稿が不可能になるという対応を取りました。

アマゾンで購入していない商品についてのレビューは1週間で5件までと投稿が制限。

アマゾンと「やらせ」レビュアーの戦いの歴史を振り返ると、アマゾンは2014年から「やらせ」レビュアーに対して訴訟を起こしていて、こうした出来事を通じて「やらせ」を取りやめたという企業の話もあり、事実として「やらせ」は、メーカー・レビュアー共にやりにくくなっているといえます。

パソコンアマゾンとやらせのいたちごっこ
ゼロにするのは至難の業といえそうです

先の歴史からも見て取れますが、このほかにも投稿システムや評価グラフなども細かく調整が入っていることから、アマゾンの意欲的な姿勢がうかがえます。

Amazonのサイトに明記されているガイドラインでは、企業自身がレビューを投稿することはもちろん、レビュアーにサンプル品を渡すことも禁止を明記しています。とはいえ「やらせ」レビューは完全になくなっているわけではなく、悪質なメーカーやレビュアーは、ルールの穴を突く形で不誠実なレビューを投稿しているのが現状。

こうしたレビューもアマゾンの今後の改良で減っていくかもしれませんが、一方でさらに巧妙化した「やらせ」レビューが登場するのも想像に難くありません。アマゾンのレビューが個人による投稿である以上、そうしたアマゾンと「やらせ」のいたちごっこをゼロにすることはどうしても難しいのかもしれません。

今回取材したトップレビュアーのうちの1人であるA氏は「Amazonはレビューのシステムを定期的に改良しています。昔に比べてレビューする場所として良いサイトになっていっていると思います」と素直な感想を述べてくれました。